「きもの鈴乃屋」旧運営会社が破産 新会社は「まるやま・京彩グループ」へ
東京商工リサーチによると、呉服店「きもの鈴乃屋」の旧運営会社である「平河」(旧鈴乃屋)が2024年5月21日、東京地裁に破産を申請しました。事業はM&Aにより、きもの事業を分割して設立した新会社「鈴乃屋」が「まるやま・京彩グループ」の企業として営業を継続しています。
東京商工リサーチによると、呉服店「きもの鈴乃屋」の旧運営会社である「平河」(旧鈴乃屋)が2024年5月21日、東京地裁に破産を申請しました。事業はM&Aにより、きもの事業を分割して設立した新会社「鈴乃屋」が「まるやま・京彩グループ」の企業として営業を継続しています。
東京商工リサーチなどによると、呉服店「きもの鈴乃屋」を全国に出店していた平河(旧・鈴乃屋)は1947年創業の老舗呉服専門店。創業者の故・小泉清子氏は「山河燃ゆ」以来33作32年にわたって大河ドラマなどの衣装考証に携わっていました。
1990年3月期には売上高約680億円をあげていましたが、その後は着物需要の落ち込みなどから販売が低迷。2017年3月期には売上高が約85億円まで減少し、財務内容が後退していました。さらに、コロナ禍の卒業式や入学式の中止の影響もあり、業績がさらに悪化。
スポンサーによる事業再建を目指すなか、2024年4月25日「まるやま・京彩グループ」の紅輪(川崎市高津区)がスポンサーとなり、新設分割して設立した新会社の「鈴乃屋」(世田谷区)に事業を承継し、旧・鈴乃屋は商号を「平河」に変更していました。
帝国データバンクによると、会社分割前に発生した売掛金等の支払い完了後に清算手続きを進める予定でしたが、売り上げにより支払い資金が不足することが判明したため、法的整理による清算が必須であると判断されました。負債は債権者約314人に対し約33億7800万円といいます。
新会社「鈴乃屋」(丸山伸一代表取締役)は、平河の破産についてコメントを発表しました。
2024年4月25日以降のお取引による債権債務は新・鈴乃屋が責任をもって対応いたします。
きもの鈴乃屋公式サイト
また、「鈴乃屋リンリン友の会」の積立金は新・鈴乃屋に引き継がれておりますので、ご加入いただいている皆様には、これまで通り新・鈴乃屋にて積立金をご利用いただけますことをご案内申し上げます。 成人式のご予約をいただいているお客様につきましても、お申し込みの時期にかかわらず、ご予約のとおりサービスを提供させていただきます。
なお、2024年4月24日以前にご注文頂いたお仕立て品、アルバム等につきましては、旧・鈴乃屋にて対応すべきところではございますが、お客様にご迷惑をおかけしないよう、新・鈴乃屋として最大限の対応をさせていただきます。
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