目次

  1. 地籍調査とは メリットと課題
  2. 土地境界のみなし確認制度とは

 国の国土調査のあり方に関する検討小委員会報告書によると、国土調査法にもとづく地籍調査は、土地の基礎的情報の明確化のため、毎筆の土地について、その所有者、地番、地目の調査と、境界及び地積に関する測量をし、その結果を地図と簿冊にとりまとめています。

 土地所有者等にとって地籍調査は、土地取引の円滑化というメリットがあります。さらに災害発生時の早期の復旧・復興、社会資本整備・まちづくりの効率化にもつながり、地籍調査は「社会のインフラ」として重要である、と指摘しています。

 しかし、登記簿だけでは土地所有者等が不明、または土地所有者等の所在が判明しない場合もあります。その場合は、住民票や戸籍等のほか、土地所有者等の親族等への聞取り等により追跡調査をしますが、多くの時間と手間がかかるため、計画通りには進んでいません。

 こうしたケースでは、周辺の土地を含めて「筆界未定」となり、取引などが難しい土地になってしまうことがあるといいます。

 そこで、国交省は、地籍調査作業規程準則の一部を改正する省令を6月28日に公布・施行し、土地境界のみなし確認制度を新設しました。

 具体的には、現地調査等の通知を複数回行っても土地の所有者等から反応がない場合、その土地の所有者等に筆界案を送付し、20日以上経過しても意見の申出がなければ、当該所有者等が筆界の確認をしたものとみなして調査を進めることができることとしました。