目次

  1. 酒瓶が割れ、仕込み蔵に泥が入る
  2. 入社5カ月で社長に
  3. 泊まりこみ廃止・女性社員が増加
  4. 世界規模の品評会で金メダル
  5. 「残ったものから考えよう」
  6. 宮城の酒蔵がもろみを「救出」
  7. 酒造り再開の日を先に決める
  8. コロナ禍の経験を生かして
  9. 「能登を醸す」はぶれない

 奥能登の未来をも揺るがす能登半島地震が起きたのは、2024年早々でした。

 発生時、数馬さんは家族と能登町の自宅にいました。2度目の大きな揺れの後、落ち着いたら蔵の様子を確認しようと考えていると、大きな声が聞こえました。

 「津波が来る!」

 家族と急いで高台に避難し、当日は避難所で過ごしました。

震災で出荷を控えた酒瓶が大量に割れました(数馬酒造提供)
震災で出荷を控えた酒瓶が大量に割れました(数馬酒造提供)

 翌日、数馬さんは弟と蔵の様子を確認しました。会社の建物6棟のうち、比較的無事だったのは2棟のみ。地盤沈下や壁の落下もひどく、床には割れた酒瓶が転がり、仕込み蔵には泥が入り込みました。

地震で壁が倒壊した蔵(数馬酒造提供)
地震で壁が倒壊した蔵(数馬酒造提供)

 この状況にも、数馬さんは意外なほど冷静だったといいます。

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