新潟トランシスのロータリ式道路用除雪車で試験不正 10機種一覧
国土交通省は2024年7月31日、IHIの連結子会社である新潟トランシスが製造するロータリ除雪車の除雪性能試験で、一部不正があったとの報告を受けたことを公表しました。国交省は、新潟トランシスに対して、事実関係の詳細な調査及び販売車両の除雪性能への影響、再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう求めました。今回、対象となったのは10機種1239台に上ります。不正のあった機種の一覧を整理しました。
国土交通省は2024年7月31日、IHIの連結子会社である新潟トランシスが製造するロータリ除雪車の除雪性能試験で、一部不正があったとの報告を受けたことを公表しました。国交省は、新潟トランシスに対して、事実関係の詳細な調査及び販売車両の除雪性能への影響、再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう求めました。今回、対象となったのは10機種1239台に上ります。不正のあった機種の一覧を整理しました。
IHIの公式サイトによると、新潟トランシス(本社:新潟県聖籠町)は鉄道車両、案内軌条式鉄道施設、除雪機械の製造・販売を手がけており、1910年(明治43年)に新潟鐵工所として創立。
2003年に石川島播磨重工業(現IHI)が事業を引き継ぎ、新潟トランシスを設立しました。従業員数は2024年3月末で424人に上ります。
IHIの公式サイトによると、新潟トランシスの社内会議で社員からロータリ除雪車の除雪性能試験について不適切行為についての申し出があり、試験データの確実性が担保されている2002年以降に販売された除雪車について調べました。
すると、不正は2007~2017年に不正が確認でき、対象となった除雪車は10機種1239台(登録が抹消された車両等6台を含む)に上りました。
機種 | 台数 |
---|---|
NR84 | 170 |
NR103T | 13 |
NR104T | 32 |
NR144 | 66 |
NR282 | 171 |
NR301 | 106 |
NR302 | 221 |
NR303 | 414 |
NR401 | 20 |
NR402 | 20 |
納入先は国交省が98台、高速道路会社が33台、地方自治体が925台、民間企業で177台でした。
これまでに判明した調査内容によると、除雪車の主な顧客である国土交通省の各地方整備局、地方自治体、高速道路会社等の入札では除雪車の最大除雪能力を申告する必要があります。
しかし、2006年の除雪性能試験で求められる目標を達成できなかったため、翌年の除雪性能試験で除雪装置の一部の部品を取り換えていたことが分かりました。
この除雪性能試験は、最大除雪能力を計測する試験であり、除雪能力を向上させるため、動力を分配するギア比や雪を掻き込む先端の回転装置の回転数、雪の排出口の形状などを変更したうえで、除雪性能試験を実施していたといいます。
国交省は「ユーザーからの信頼を損なう行為であり、また、適切な除雪作業による国民の安全・安心の確保の観点からも極めて遺憾」として、調査や再発防止策の報告を求めています。具体的に求めた対応は以下の通りです。
国交省は今後、新潟トランシスの報告を踏まえて、厳正に対処すると説明しています。
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