目次

  1. すかいらーくホールディングス(HD)とは
  2. 資さんうどんとは
  3. すかいらーく、資さんうどんをなぜ買収?
  4. すかいらーく、買収額は240億円
  5. すかいらーく「資さんの味・歴史守り続ける」

 すかいらーくの公式サイトによると、株式会社すかいらーくの前身であることぶき食品は、1962年に保谷市(現 西東京市)“ひばりが丘団地”の片隅で小さなひもの食品店を開業。起業精神を忘れないという意味を込め、創業の地“ひばりが丘”に由来し、SKYLARK=ひばりと名付けました。

 1970年にファミリーレストランすかいらーく1号店・国立店(府中市)を出店。

 すかいらーくグループの正社員は、2024年6月30日時点で5779人。「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」「ジョナサン」「夢庵」など国内グループ2884店・海外等2964店を展開しています。

 2027年12月期を最終年度とする中期事業計画では、M&Aに積極的に取り組む方針を示していました。

 一方、資さんうどんは、創業者の大西章資氏が1976年に北九州市の戸畑区でうどん店をオープンさせたのをきっかけに生まれました。

資さんうどんの1号店

 北九州のソウルフードとも呼ばれ、2009年から、下関市を皮切りに、福岡都市圏、福岡市に出店を開始。2023年12月には九州全県への出店を達成しました。中国・関西地域だけでなく、2024年冬には、千葉県八千代市に、2025年初頭には東京都墨田区両国への出店を決定しています。

東京・神田で7月に開催した「資さんうどんPOP-UPレストラン」の行列
東京・神田で7月に開催した「資さんうどんPOP-UPレストラン」の行列(プレスリリースから)

 すかいらーくは9月6日、資さんの全株式を取得し、子会社化すると発表しました。買収理由について、次のように説明しています。

資さんは、北九州のソウルフードとしてのブランドを確立しており、九州地域のロードサイドにうどん・和食チェーンを展開しております。うどんや和食の幅広いメニュー、お求めやすい価格帯、料理提供の早さを備えており、幅広い利用動機で多くのお客様に支持されております。また、昨年からは関西への出店を進め、今年の冬には関東への出店も計画しており、今後も出店拡大のためのリソースを必要としています。
一方、当社では地方ロードサイドの自社カニバリ解消のため、業態転換候補としての新ブランド開発を実施しておりますが、幅広いお客様に支持される高い集客力のあるブランドを必要としております。
本件株式取得により、全国への出店拡大を企図している資さんに、当社の既存店・立地開発力やサプライチェーン、人財や資金等を活用して頂くことで、大きなシナジーを発揮でき、双方がWin-Winとなる関係を築けるものと判断いたしました。

株式会社資さんの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ(PDF)

 すかいらーくHDは、投資ファンドのユニゾン・キャピタル(持ち株比率 68.7%)、Unison Capital Partners Ⅳ(F),L.P.(持ち株比率14.4%)、ナイン・ステーツ・4投資事業有限責任組合(持ち株比率14.2%)などから資さんの株式を取得します。買収額は240億円程度といいます。

 すかいらーくは9月6日のプレスリリースで資さんの買収にあたり、次の通りブランドを維持する方針を明らかにしています。

 「私たちすかいらーくグループは、北九州のソウルフードとして愛され続ける資さんの味・歴史を尊重し、大切に守り続けたいと考えています。長きにわたり資さんを愛してこられたお客様・従業員を大切にし、すかいらーくグループ約3,000店舗のインフラを利用いただく事でお店を拡げ、全国に資さんファンを増やしてまいりたいと考えています」