目次

  1. 上がらぬ収入、足りない権限
  2. 役職と収入を連動させる
  3. 負けを糧にする考えを大切に
  4. 必要な権限を要求できる仕組みを
  5. 「管理職になりたくない」は拒否
  6. 出世意欲を高めて業績もアップ
  7. 長期的成長のための組織改革を

 若手社員が管理職になりたがらない理由はさまざまあるでしょう。代表的なものを挙げると「プレーヤーでいた方が稼げるから」です。管理職になり、責任が大きくなっても、それに見合う収入が十分に得られないと感じる若手は少なくありません。

 プレーヤーであれば現場に出る時間も多く、残業代が出て、顧客を獲得した分、インセンティブがもらえて給料が増えます。一方で、管理職はマネジメントに時間が費やさねばならず、インセンティブを得にくくなる上、残業代が出なくなってプレーヤー時代よりも給料が下がる、といった具合です。会社によって違いはあるでしょうが、こういうゆがんだ制度を放置しているケースは少なからず存在します。

 収入面への不安や不満だけではありません。管理職は経営層とプレーヤーとの間に挟まれ、大きなストレスにさいなまれるというイメージも、広く一般に浸透しています。

 あるいは、管理職としての責任を果たすための予算や権限が全く足りていないという状況もよく見かけます。例えるなら、RPG(ロールプレイングゲーム)で「ラストダンジョンにいるボスモンスターを倒しなさい」と命じられたのに、「装備は最初の村で売っている武器と防具しか認めない」と言われている状況です。それを、自分1人で何とかしようとすると、莫大な時間と労力が必要になります。

 とはいえ、これらの問題は昔もありました。しかし、ここ最近、管理職になりたくない若者が増えているのは、転職が当たり前になったためです。苦しい管理職の道をわざわざ選ばずとも、よい条件の会社を見つけ、転職してしまった方が得だと若手は考えているわけです。

 もちろん、若手の成長意欲が乏しくなっている面もあるでしょうが、それを理由に、中小企業の経営者が何の施策も講じないままではいけません。管理職人材を育てなければ企業の成長は止まる一方で、時代の変化に合わせて社内の体制を見直すべきです。経営者はどんな行動を取ればいいのでしょうか。次章から詳しく解説します。

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