2024年12月の野菜の生育状況と価格見通し 農林水産省まとめ

農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される2024年12月の野菜の生育状況及び価格見通しについて、主産地からの聞き取りした結果を公表しました。夏秋の産地から秋冬の産地への切り替わり等に伴い、平年並みの価格に落ち着く野菜が増え、前月高値の品目についても、徐々に価格が落ち着く見込みです。
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される2024年12月の野菜の生育状況及び価格見通しについて、主産地からの聞き取りした結果を公表しました。夏秋の産地から秋冬の産地への切り替わり等に伴い、平年並みの価格に落ち着く野菜が増え、前月高値の品目についても、徐々に価格が落ち着く見込みです。
農水省の公式サイトによると、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給及び価格の安定に寄与することを目的として、2011年から、主産地、卸売会社等からの聞き取りをもとに、農水省が野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信しています。
2024年12月の野菜の生育・出荷及び価格の見通しによると、平年を上回って推移する見込みなのは、だいこん(12月前半)、にんじん(12月前半)、はくさい(12月前半)、レタス(12月前半)、キャベツ・きゅうり・トマト・ピーマン(前月から徐々に落ち着くものの平年を上回って推移)、なす(平年を上回って推移)、たまねぎ(12月後半)、ブロッコリー(12月前半)です。
「平年並み」とは、平年(過去5ヵ年平均)との比率が概ね90%以上、110%以下であることを示しています。
品目 | 主産地 ( )内は前年同期の入荷シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 12月の価格見通し (直近5か年平均比) |
だいこん | 千葉(61%) 神奈川(36%) |
主産県で、10月の高温や降雨の影響により歩留まりの低下がみられ、生育は回復傾向にあるものの、12月前半までは出荷数量は平年を下回る見込み。 12月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、12月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
〈12月前半〉 平年を上回って推移 〈12月後半〉 平年並みで推移 |
にんじん | 千葉(84%) |
千葉県産は8月から9月の高温の影響により細物傾向となっていることに加え、歩留まりの低下がみられ、生育は回復傾向にあるものの、12月前半までは出荷数量は平年を下回る見込み。 12月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、12月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
〈12月前半〉 平年を上回って推移 〈12月後半〉 平年並みで推移 |
はくさい | 茨城(91%) |
茨城県産は8月から9月の高温の影響により定植が遅れ、生育が遅延傾向であり、12月前半までは出荷数量は平年を下回る見込み。 12月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、12月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
〈12月前半〉 平年を上回って推移 〈12月後半〉 平年並みで推移 |
キャベツ | 愛知(45%) 千葉(34%) 神奈川(10%) |
茨城県産・千葉県産に加え、愛知県産の出荷が増加する。主産県で、8月から9月の高温、10月の天候不順の影響により小玉傾向となっていることに加え、歩留まりの低下が見られる。 12月の出荷数量は前半は平年を下回り、後半は平年並みに回復することが見込まれ、価格は徐々に落ち着くものの平年を上回って推移する見込み。 |
前月から徐々に落ち着くものの平年を上回って推移 |
ほうれんそう | 群馬(43%) 茨城(36%) |
主産県で、10月から11月の気温高の影響により生育が前進していることに加え、細物傾向となっているものの、生育は回復傾向にあり、12月の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 | 平年並みで推移 |
ねぎ | 茨城(24%) 千葉(20%) 埼玉(15%) 栃木(11%) |
茨城県産・千葉県産の出荷に加え、埼玉県産の出荷が増加する。 主産県で、8月から9月の高温の影響により歩留まりの低下がみられ、生育は回復傾向にあるものの、 12月前半までは出荷数量は平年を下回る見込み。 12月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、12月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
〈12月前半〉 平年を上回って推移 〈12月後半〉 平年並みで推移 |
レタス | 静岡(31%) 香川(14%) 茨城(13%) 長崎(11%) |
茨城県産に加え、静岡県産・香川県産・長崎県産が増加する。 茨城県産は10月以降の気温高の影響により生育が前進しており、切り上がりが早くなるため、12月の出荷数量は平年を下回る見込み。静岡県産・香川県産・長崎県産は10月から11月の気温高の影響により歩留まりの低下がみられ、生育は回復傾向にあるものの、12月前半までは出荷数量は平年を下回る見込み。 12月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、12月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
〈12月前半〉 平年を上回って推移 〈12月後半〉 平年並みで推移 |
きゅうり | 宮崎(47%) 千葉(15%) 高知(12%) 埼玉(10%) |
埼玉県産が減少し、宮崎県産・千葉県産・高知県産の出荷が増加する。 主産県で、8月から9月の高温、10月の曇天や降雨の影響等により生育不良がみられ、生育は回復傾向にあるものの、12月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年をやや上回って推移する見込み。 |
前月から徐々に落ち着くものの平年を上回って推移 |
なす | 高知(63%) 福岡(19%) 熊本(11%) |
主産県で、8月から9月の高温、10月から11月の曇天や気温の乱高下の影響により生育不良がみられ、生育は回復傾向にあるものの、12月の出荷数量は平年をやや下回り、価格は平年をやや上回って推移する見込み。 | 平年を上回って推移 |
トマト | 熊本(43%) 愛知(17%) 栃木(16%) |
主産県で、9月から10月の気温高の影響等により生育不良がみられるものの、生育は回復傾向にあり、12月の出荷数量は後半に向けて平年並みに回復する見込み。価格は徐々に落ち着くものの平年を上回って推移する見込み。 | 前月から徐々に落ち着くものの平年を上回って推移 |
ピーマン | 宮崎(35%) 茨城(29%) 鹿児島(12%) 高知(12%) |
茨城県産の出荷が減少し、宮崎県産・鹿児島県産・高知県産の出荷が増加する。 茨城県産は10月から11月の曇天や気温の乱高下の影響により、切りあがりが早くなっている。宮崎県産・鹿児島県産・高知県産は8月から9月の高温、10月の曇天や降雨の影響により生育不良がみられる。 全体として、12月の出荷数量は前月よりは回復するものの平年を下回り、価格は徐々に落ち着くものの平年を上回って推移する見込み。 |
前月から徐々に落ち着くものの平年を上回って推移 |
ばれいしょ | 北海道(78%) 長崎(21%) |
北海道産に加え、長崎県産が増加する。 北海道産は収穫及び貯蔵が完了。長崎県産は8月から9月の高温の影響により生育遅れや生育不良がみられるものの、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。 12月の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
平年並みで推移 |
さといも | 埼玉(73%) 愛媛(10%) |
主産地で、生育は順調であり、12月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 平年並みで推移 |
たまねぎ | 北海道(92%) | 北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。 12月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移するものの、9月から10月の干ばつの影響により小玉傾向となっており、12月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 |
〈12月前半〉 平年並みで推移 〈12月後半〉 平年を上回って推移 |
ブロッコリー | 熊本(21%) 香川(19%) 愛知(18%) 埼玉(12%) |
主産地で、8月から9月の高温の影響により生育遅れや歩留まりの低下がみられ、生育は回復傾向にあるものの、12月前半までは出荷数量は平年を下回る見込み。 全体として、12月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、12月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 |
〈12月前半〉 平年を上回って推移 〈12月後半〉 平年並みで推移 |
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