目次

  1. いち早いIT化で経産省から表彰
  2. ネットワークで輸送を効率化
  3. 痛みを伴った働き方改革
  4. 真っ赤なボディーは安全意識にも
  5. SNSで見せる会社の素顔
  6. 離職率は5%まで減少
  7. 物流を「かっこいいプロ集団」へ

 カワキタエクスプレスは1989年に創業し、段ボールや印刷物などを運ぶ一般輸送、引っ越しが主業務です。全国のイベントや展示会などへの輸送業務も手がけています。大型トラックなど約25台を保有し、正社員数は34人です。

 川北さんは高校卒業後、県内外の職場を経て地元亀山市に戻りました。「結婚もしていましたが、やりたい仕事もなくアルバイトを転々としました。その一つが宅配便配達です。3カ月ほど働くと『宅配の請負業者をやらないか』と声をかけられ、独立しました」

創業当時の事務所とトラック(カワキタエクスプレス提供)
創業当時の事務所とトラック(カワキタエクスプレス提供)

 業界では、荷物の持ち出しや配達などの記録が残る追跡システムが出始めていました。もともとエクセルを操作することが好きだった川北さんは、早い段階から外部企業と連携してIT化を進め、同様の追跡システムを開発したり、エクセルで請求書をスムーズに出せる仕組みを作ったりしました。

現在のカワキタエクスプレスの事務所と倉庫
現在のカワキタエクスプレスの事務所と倉庫

 2002年にはシステム会社に依頼して独自の業務システムを開発。受注入力や請求書支払い、配車処理と連携させ、顧客や協力会社への報告などを一度に管理できるようにしました。

 「たとえば1号車と2号車の仕事を入れ替える際、打ち直しせずマウスで入れ替えるだけで配車できるようにしました。請求書なども自動で出るように連携させ、事務作業が軽減しました」

カワキタエクスプレスの業務システム(画像の一部を加工しています)
カワキタエクスプレスの業務システム(画像の一部を加工しています)

 その後、車両の運転状況を記録するデジタルタコグラフやドライブレコーダーを搭載。トラックの運行状況をGPSで管理し、オフィス内の画面に地図を映し出し、運行や勤怠の状況を一覧で確認しています。

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