レインズの物件取引状況、2025年1月から登録義務化 囲い込み防止
不動産仲介による物件の「囲い込み」防止のため、2025年1月4日から宅建業者にレインズへの物件の取引状況の登録を義務付けます。売主が取引状況を確認しやすくするため、宅建業者が渡す登録証明書に2次元コードも掲載します。宅地建物取引業法施行規則と「解釈・運用の考え方」の改正によるもので、国土交通省が発表しました。
不動産仲介による物件の「囲い込み」防止のため、2025年1月4日から宅建業者にレインズへの物件の取引状況の登録を義務付けます。売主が取引状況を確認しやすくするため、宅建業者が渡す登録証明書に2次元コードも掲載します。宅地建物取引業法施行規則と「解釈・運用の考え方」の改正によるもので、国土交通省が発表しました。
国交省によると、レインズ(REINS)は、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産取引の情報ネットワークシステムです。宅地建物取引業法に基づき、登録された物件情報は宅建業者間で共有される仕組みです。
宅地や建物の媒介契約には、以下の3種類があります。
このうち専属専任媒介契約・専任媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業法により、宅建業者に、売り出し物件のレインズへの登録、売主への登録証明書の交付や定期的な業務状況の報告等が義務付けられています。
レインズには、ステータス管理機能があります。ステータス管理機能は、専属または専任媒介契約を締結した売り出し物件の取引状況を登録する機能です。
登録項目は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類で、売主は「売主専用画面」にアクセスし、自身の物件がどんな状況にあるのかを確認することができます。
国交省の公式サイトによると、2025年1月から宅建業者に対して、レインズへの物件の取引状況の登録を義務付けます。
さらに、売主が自らの物件の取引状況を確認しやすくなるよう、レインズに物件を登録した際に宅建業者から売主に交付される「登録証明書」に、2025年1月4日から2次元コードを記載するようシステムを改修します。
宅地建物取引業法施行規則と「解釈・運用の考え方」の改正による対応だといいます。
レインズ関連の宅地建物取引業法施行規則の改正の背景には、不動産仲介の「囲い込み」防止があります。
不動産仲介の囲い込みとは、たとえば、売主も買主も自社から仲介するために、レインズに「売主都合で一時紹介停止中」などと虚偽の登録をし、他の業者に紹介させないといった行為です。
国交省は物件の売主に対し「最新の取引状況が登録されているか、適時確認しましょう。売主が取引状況を確認することで、円滑な売買契約の締結に役立ちます」と案内しています。
宅地建物取引業者がレインズに登録した物件について、取引状況の登録内容が事実と異なる場合は、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象となることがあるので注意しましょう。
指示処分は、違反行為を解消することを命じるもので、宅建業者が受ける監督処分の中で最も軽いものですが、従わない場合は業務停止処分の対象となる場合があります。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。