目次

  1. 女性活躍やSDGsで公的認証
  2. 「回転寿司」から脱するために
  3. 利益の取れるねじ開発に転換
  4. 三つの特殊ねじが主力に
  5. 「在庫量日本一」を掲げて
  6. 広がる海外ネットワーク
  7. 「打率1割」でも開発を加速

 サイマコーポレーションは2022年の1年間で、「えるぼし認定」と「かながわSDGsパートナー」を取得し、主力ブランドの特殊ねじ「310 スリム」はグッドデザイン賞に輝きました。

 「コロナ禍で仕事がぱったりとなくなりました。飛行機も船も動きませんでしたが、そもそもの原材料がつくられていない。できることはなんだろうと考え、会社の棚卸しをしたのです」

 えるぼし認定は女性活躍推進法に基づく厚生労働大臣認定の制度で、採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースという五つの審査項目があります。サイマコーポレーションはそのすべてをクリアし、最高ランクの3つ星を獲得しました。

斎間さんは働きやすい環境づくりを、開発の土台としています
斎間さんは働きやすい環境づくりを、開発の土台としています

 3つ星獲得までの苦労をうかがったところ、案に相違する答えが返ってきました。

 「そうせざるを得ない環境にあったのです。わたしが家業入りしたころは両親だけの町工場で、ふたりは介護が必要な祖母を事務所に連れてきて面倒をみていました。そんなところに働きに来てくれる人はいません」

 「最初に雇用したのは地元辻堂のシングルマザー。小さなお子さんを抱えていました。もちろんフルタイムでは働けません。わたしは時短勤務を受け入れた上で、正社員として採用しました」

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