目次

  1. 食品ロスとは
  2. 食品ロスの現状
  3. 食品ロス解決に向けた取り組み
  4. 食品ロス削減総合対策事業    
  5. 食品ロス削減緊急対策事業

 本来食べられるのに捨てられてしまう食品ロスは、食糧生産のために費やした多量のエネルギーを無駄にしてしまうだけでなく、廃棄する際の運搬や、焼却でのCO2排出など、環境にも悪影響を与えます。

 食品ロスには大きく分けて、事業活動に伴って発生する「事業系食品ロス」と、各家庭から発生する「家庭系食品ロス」の2つがあります。

 農林水産省によると、日本では年間472万トンの食品ロスが発生しています(2022年度推計値)。このうち、事業系食品ロスは236万トン、家庭系食品ロスも236万トンです。

 これは、国民1人当たりで考えると、1日でおにぎり約1個の量に近い約103グラム、年間では38キログラムの量を廃棄していることになります。

 農水省は、2030年度までに、事業系食品ロスを、2000年度比で半減する目標を立てています。同様に、家庭系食品ロスについても、2030年度までに半減させる目標を立てています。

 食品ロスを減らすために、農水省では、スーパーなどで棚の奥からではなく陳列されている賞味期限の順番に商品をとって購入したり、賞味期限の近い値引き商品を買ったりなどの行動を、消費者に呼びかけています。

 食品ロス削減総合対策事業として、政府は2025年度当初予算案に、4300万円を盛り込みました。

 この事業では、商慣習の見直しなどの取り組みについて、業界全体で横展開を図る活動を支援します。

 また、食品廃棄物発生を抑制する取り組みを公表する仕組みを構築するための調査や、食品ロスの実態を把握するための食品関連事業者のデータベースの整備を実施します。

 さらに、食品ロス削減緊急対策事業として、政府は2024年度補正予算案に2.9億円を盛り込んでいます。

 この事業では、食品企業が未利用食品を寄附することにつながるよう、提供可能な食品やそのニーズに関わる情報を共有することを支援します。食品企業が物流事業者などと連携して、食品の提供をワンストップで行う体制も検討します。

 また、食品業界のDX推進をはじめ、新たな技術や仕組みの導入による食品ロスの削減を実証します。