目次

  1. 地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業とは
  2. インバウンド安全・安心対策推進事業の4つの柱
    1. 災害時の観光施設等の避難所機能の強化
    2. 災害時の観光施設等の多言語対応機能の強化
    3. 医療機関の訪日外国人患者受入機能の強化
    4. 災害時等における観光危機管理の強化
  3. 具体的な補助対象施設
  4. インバウンド安全・安心対策推進事業の補助率
  5. 応募要件と優先採択
  6. 応募期間はいつからいつまで?

 近年、日本では地震や台風などの自然災害が頻発しており、訪日外国人旅行者が旅行中に災害に遭遇するリスクもあります。

 地方への誘客をさらに促進するためには、訪日外国人旅行者が安心して旅行できる環境を整備することが重要だとして、観光庁は、地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の公募を2025年2月7日から始めました。

 この事業は、以下の4つの柱で構成されています。

補助対象事業者 補助対象施設等
災害時の観光施設等に
おける避難所機能の強化
観光案内所・観光施設等を設置し、若しくは管理する者
観光地における店舗・事業所等を運営する者
テーマ公園またはテーマ施設外国人観光案内所道の駅、みなとオアシス等
災害時の観光施設等の多言語対応機能の強化
訪日外国人患者受入機能
の強化
病院・診療所等を設置し、または管理する者 病院、診療所、歯科診療所のうち「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」(観光庁・厚生労働
省)に登録している、または登録の見込みが
あるもの
災害時等の観光危機管理の強化 地方公共団体 観光危機管理計画の策定と訓練が対象

 観光施設を災害時の避難場所として活用するため、非常用電源装置や災害用トイレなどの整備を支援します。

 災害発生時に訪日外国人旅行者が円滑に避難できるよう、デジタルサイネージや多言語対応AEDの整備やホームページの多言語表示の拡充などを支援します。

 訪日外国人旅行者が安心して医療機関を受診できるよう、キャッシュレス決済の導入や訪日外国人患者受入対応研修、視察研修に要する経費など医療機関内の多言語化を支援します。

 各地域において、観光危機管理計画づくりを支援します。

 補助対象施設は、以下のような施設のうち、訪日外国人旅行者が毎年一定数訪れていると推定されるところです。ただし、宿泊事業及び交通事業に係る施設の整備は補助対象外となります。

  • 由緒があり建築的に優れている、文化財を所蔵・附帯している、または境内(庭園を含む)が優れている神社、寺院、または教会
  • 古代から近世に至る軍事や行政府等としての目的で建造された城跡、城郭、または宮殿
  • 鑑賞や散策などのために造成された庭園または公園
  • 動植物を飼育し展示している動植物園または水族館
  • 歴史的資料、科学的資料、または美術作品を展示している博物館または美術館
  • 特徴的な概念(テーマ)を表現し、体験するために作られたテーマ公園またはテーマ施設

 補助率は、補助対象経費の1/2以内です。ただし、以下の経費は補助対象外となります。

  • 土地の取得に要する経費
  • 機能の明確な向上を伴わない修理修繕、代替更新に要する経費
  • 消耗品、保険料、SIMカードや通信費等のランニングコスト

 この事業に応募するには、以下の立地要件を満たす必要があります。

  • 訪日外国人旅行者の受入れに関し一定の体制を整えている地域
  • 訪日外国人旅行者の誘致等、観光振興に意欲を有する地域

 以下の地域については、優先的に採択されます。

  • 「非常時における外国人旅行者の安全・安心の確保に向けた指針」に基づき観光危機管理計画を策定した地域
  • 「地域防災計画」等において訪日外国人旅行者の避難計画を定めた地域
  • 日本政府観光局により、上位のカテゴリーに認定されている、または認定の見込みがある観光案内所を補助対象とする事業

 応募期間は、2025年2月7日(金)から9月26日(金)17時までです。応募は毎月末で締め切られ、審査結果は原則として応募月の翌月末を目処に通知されます。

 予算がなくなり次第、予告なく募集を終了する場合がありますので、早めの応募をおすすめします。