目次

  1. 雇用保険とは 雇用保険料の計算式も紹介
  2. 2025年度の雇用保険料率、0.1%引き下げ

 厚労省の公式サイトによると、雇用保険とは、政府が管掌する強制保険制度です。労働者を雇用する事業は、原則として強制的に適用されます。

 労働者が失業した場合に、生活と雇用の安定や就職の促進のための失業等給付・育児休業給付などを支給します。また、失業の予防、雇用状態の是正、労働者の能力の開発などにも活用されています。

 雇用保険料の計算式は以下の通りです。

雇用保険料=労働者に支払う賃金の総額×雇用保険料率

 たとえば、1年間に労働者に支払う賃金見込み額が350万円(毎月25万×12ヵ月+年間の賞与50万円)の小売業を営んでいる場合、2024年度の雇用保険料率が1.45%だったので、雇用保険料は350万円×0.0145=5万750円でした。

 雇用保険料は、厚労省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会で議論されます。

 2024年12月に開催した第201回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会の資料によれば、雇用情勢の改善で回復してきたことと、安定的な財政運営と保険料負担軽減の両立を図る観点から0.1%の引き下げが提案され、了承を得ていました。

 厚労省の公式サイトによると、2025年度の保険料率は以下の通りです。2024年度と比べ、失業等給付・育児休業給付の保険料率の労働者負担と事業主負担がそれぞれ0.05%ずつ引き下げられました。雇用安定事業と能力開発事業の雇用保険二事業の保険料率に変更はありません。

事業の種類 労働者負担 事業主負担
一般の事業 0.55% 0.9%(失業等給付・育児休業給付の保険料率は0.55%、雇用保険二事業の保険料率は0.35%)
農林水産・清酒製造の事業 0.65% 1.0%(失業等給付・育児休業給付の保険料率は0.65%、雇用保険二事業の保険料率は0.35%)
建設の事業 0.65% 1.0%(失業等給付・育児休業給付の保険料率は0.65%、雇用保険二事業の保険料率は0.35%)

 ただし、園芸サービス、牛馬の育成、酪農、養鶏、養豚、内水面養殖および特定の船員を雇用する事業については一般の事業の率が適用されます。