目次

  1. 歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業の目的
  2. 募集する事業内容
  3. 事業概要の詳細
    1. A. 事業化支援
    2. B. モデル創出
  4. 伴走支援の内容
  5. 応募方法と公募スケジュール
  6. 経費について
  7. 選定方法と基準

 観光庁の公式サイトによると、コロナ禍以降、観光需要は急速に回復し、2024年のインバウンド数は過去最高の約3700万人となりました。

 今後、滞在日数の延伸及び観光消費額増加を目指すためには、地域の歴史や文化等に根差した地域ならではの魅力を最大限に生かした観光と観光を契機とした持続可能なまちづくりを推進することが重要だと、観光庁は説明しています。

 2023年3月に閣議決定した観光立国推進基本計画では、官民連携による歴史的資源の再生・活用を推進し、2025年度までに300地域に拡大し、面的展開地域を50地域展開することを目標としています。

歴史的資源を活用した観光まちづくりの取組地域目標数
歴史的資源を活用した観光まちづくりの取組地域目標数

 事業の目的は、歴史的資源を有する地域の経営主体が、地方自治体、観光地域づくり法人(DMO)、金融機関等と連携し、特別目的会社(SPC)等のスキームを活用した民間投資を促し、地域を面的に再生することについて、観光庁や専門家が伴走し、支援・調査を進めますことだといいます。

 調査事業の内容・結果を踏まえ、関係省庁との連携、制度や運用上の課題等を検討し、地域の歴史的資源を活用した観光まちづくり推進における今後の方向性を示し、事業環境整備を行うことを目指します。

歴史的資源を活用した観光まちづくりに取り組む地域の目指すべき姿
歴史的資源を活用した観光まちづくりに取り組む地域の目指すべき姿

 募集する事業内容は以下の通りです。

  • 歴史的資源を中核に地域資源の潜在価値を生かす観光・地域経営体制の確立に向け、主要なステークホルダーの参画を通し、地域の中長期的な開発・発展のため金融・人的資本の機能強化を図るもの
  • 地域の背景やストーリーをコアバリューとして特定し、地域の核となる歴史的資源を活用することで、地域における体験価値の向上を推進し、地域経済循環及び波及効果の最大化に寄与する取組であるもの
  • 歴史的資源を中核とした地域資源の一体的な保存と活用を推進し、地域社会への還元・文化や環境の波及効果の最大化を図り、持続可能なまちづくりの創出へ寄与するもの。
    地方自治体や金融機関と連携し、SPC等のスキームを活用して民間投資を促し、地域を面的に再生させるもの

 地域に合わせて以下の2つの調査区分で事業を募集します。

 観光まちづくり計画の立案や推進体制の構築を支援します。要件としては以下の通りです。

  • 観光まちづくり組織が存在している、または今後1年以内に設立の見込みがあること
  • 活用しようとする歴史的資源が特定されていること
  • 地方自治体、DMO、金融機関等との連携が検討されていること
  • 観光庁、事務局又は観光まちづくり等の専門家が行う改善指導を受け入れること

 既に策定された観光・運営計画及び推進体制の下で行う、体験コンテンツの造成、モニターツアーの実施、歴史的建造物の活用方法の検討等を支援します。要件は以下の通りです。

  • 観光まちづくり計画等が策定されていること
  • 観光まちづくり組織が存在すること
  • 企画運営、資金調達、物件管理等を担うプレーヤーが存在し、地域での役割分担ができていること
  • 観光客の滞在拠点及び交通手段が検討されていること
  • 観光庁、事務局または観光まちづくり等の専門家が行う改善指導を受け入れること

 伴走支援は、事業期間後の次年度以降においても、事業者が自ら継続及び拡大させることを目指し、事業体制・計画・制作・実施等に関して、専門家が事業実施者に対し改善指導やサポート等を行うものです。伴走支援の分野の例は以下の通りです。

  • 歴史的資源を活用した観光まちづくりの地域経営体制構築のサポート
  • 城や社寺、重要文化財等の地域資源の持続可能な維持・保全を目的とした活用のサポート
  • 事業・計画の設計や精査、執行、成果達成に関するプロジェクトマネジメント
  • 地域のコアバリュー特定に向けたサポート
  • 地域資源の潜在価値を発揮した高付加価値な体験コンテンツ造成のサポート
  • 国内外の高付加価値旅行者誘客へ向けた販路開拓・プロモーション・商品造成のサポート
  • 住民理解促進に向けたワークショップやシンポジウムのコーディネート
  • 地域運営を担う人材育成に向けたサポート
  • 資金調達に向けた金融面に関するサポート

 申請者は、地方自治体、DMO、民間事業者等、およびこれらの者が連携する組織や団体、協議会等です。

  • 公募期間:2025年2月19日(水)~年3月14日(金)17:00(必着)
  • 申請書類:観光庁公式サイトからダウンロード
  • 提出方法:電子メールのみ
  • スケジュール:公募期間後、採択結果は4月ごろに通知され、事業実施期間は契約締結後から2026年1月30日まで

 対象となる経費は、申請する調査区分によって異なります。

  • A.事業化支援:戦略・計画策定経費、調査経費、セミナー・ワークショップ等の実施経費。
  • B.モデル創出:地域経営体制の確立に係る経費、高付加価値化や地域経済循環・波及効果の最大化に係る経費、ブランディングやプロモーション等に係る経費。
  • 対象経費の項目:人件費・賃金、旅費、謝金、広告宣伝費、借料及び損料、消耗品費、その他諸経費、再委託費、一般管理費。
  • 経費の規模:A. 事業化支援は1000万円(税込)上限、B. モデル創出は2000万円(税込)上限です。
  • 対象外経費:国や地方自治体からの補助金が出ている経費、建物等施設の建設・改修に関する経費、恒久的な施設の設置、営利目的の経費などが対象外となります。

 選定は、選定委員会による審査で行われます。書面審査に加え、必要に応じてヒアリングが実施されます。

  • 形式審査:申請者の要件、事業内容、実施事業の要件を満たしていることを確認します。
  • 内容審査:事業内容の有効性、取組の的確性、事業遂行の確実性、経費の妥当性が審査されます。
  • 加点項目:観光産業以外の産業との連携、観光客の利便性に資する取組、高付加価値旅行者の誘客、具体的なプロモーション戦略、多様な関係者の連携体制、地域全体の経済波及効果、他施策との相乗効果などが加点対象となります。