目次

  1. トライアルとは
  2. 西友とは トライアルとのシナジー
  3. 2025年7月1日に西友の株式取得へ 今後の見通し

 トライアルの公式サイトによると、「あなたの生活必需店」をコンセプトに、2024年6月30日時点で全国に318店舗を展開する大手ディスカウントスーパーです。

 トライアルの前身は1974年に福岡市に開業した古物商、リサイクルショップです。1984年にトライアルカンパニーに商号変更し、小売店向けのPOS(販売時点情報管理)システム開発や、大手コンピューターメーカーの受託を始めました。

 福岡県大野城市に、ディスカウントストア トライアルの1号店がオープンしたのは1992年です(現在は閉店)。その後も居抜出店によるGMS(総合スーパー)再生や、流通小売業のIoT化などを進めてきました。

 2015年9月にトライアルホールディングスを純粋持株会社として設立し、トライアルカンパニーを中核とするグループ会社の株式を保有する持株会社体制に移行しました。

 一方の西友は、東京都武蔵野市吉祥寺に本社を置く、食料品、衣料品、住居用品などの小売チェーンを運営する企業です。東北から近畿地方まで2024年11月時点で242店舗を展開しています。

 トライアルによると、関東エリアを中心に駅に近接した好立地の店舗を多く保有していると評価。トライアルの成長戦略として、人口集積地である関東、中部、関西エリアでの事業基盤確立を迅速且つ効率的に実現するうえで、西友の持つ事業基盤、店舗網、商品力、製造拠点は、トライアルの成長戦略に合致すると判断したといいます。

 今回の買収により、トライアルには次のようなメリットがあると説明しています。

  • 関東エリア、中部エリア、関西エリアへの事業基盤拡大
  • 西友のオリジナル商品、製造拠点の獲得による「食」の強化
  • EC事業のシナジー効果
  • 顧客データの一体化、Skip Cart等の導入によるサプライチェーン全体の効率化
SkipCartの利用イメージ
SkipCartの利用イメージ

 特に、西友が展開するEC事業は、トライアルのEC事業を伸ばす上でシナジーがあるといいます。また、西友とトライアルの顧客データの一体化、Skip Cartやインストアサイネージ等の導入台数増加によって、業界横断の「ムダ・ムラ・ムリ」の解消につながり、サプライチェーン全体の効率化・収益性の改善が実現可能になると説明しています。

インストアサイネージ
インストアサイネージ

 株式取得のスケジュールは以下の通りです。

  • 取締役会決議日:2025年3月5日
  • 契約締結日:2025年3月5日
  • 株式譲渡実行日:2025年7月1日(予定)

 株式取得資金については、トライアルの手元資金に加えて、取引銀行から新たにおよそ3700億円の借入金を調達して充当することを想定しています。増資等の新株発行は予定されていません。