目次

  1. 帯状疱疹とは
  2. 帯状疱疹ワクチンとは 種類・接種方法・スケジュール
    1. 生ワクチン(阪大微研)
    2. 組換えワクチン(GSK社)
  3. 帯状疱疹ワクチンの予防効果
    1. 生ワクチン(阪大微研)
    2. 組換えワクチン(GSK社)
  4. 帯状疱疹ワクチンの定期接種の対象者
  5. 帯状疱疹ワクチンの安全性・副反応・救済制度
  6. 定期接種の方法と費用

 厚労省の公式サイトによると、帯状疱疹は、多くの人が子どもの頃にかかる水痘(水ぼうそう)のウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下した際に再び活性化することで発症する、痛みを伴う皮膚の病気です。

 さらに、帯状疱疹は皮膚の症状が治った後にも、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが長く残る合併症を引き起こすことがあります。

 帯状疱疹は、70代での発症者が最も多くなっており、日常生活に支障をきたすこともあります。そのため、厚生労働省は、2025年度(令和7年度)から、65歳以上などを対象に帯状疱疹ワクチンの定期接種の実施を決めました。

 日本で接種できる帯状疱疹ワクチンは2種類あります。それぞれのワクチンは、接種方法、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっています。

 定期接種で、どちらのワクチンを選択できるか、接種可能な医療機関、予約方法、費用などは、市町村によって異なる場合があるので、市町村の公式サイトを確認してください。

接種方法: 皮下に接種します。
接種回数: 1回です。
接種条件: 病気や治療によって免疫が低下している方は接種できません。
接種に注意が必要な人: 輸血やガンマグロブリンの注射を受けた方は治療後3ヵ月以上、大量ガンマグロブリン療法を受けた方は治療後6ヵ月以上置いて接種してください。

接種方法: 筋肉内に接種します。
接種回数: 2回接種が必要です(2ヵ月以上の間隔をあける)。
接種条件: 免疫の状態に関わらず接種可能です。
接種に注意が必要な人:筋肉内に接種をするため、血小板減少症や凝固障害を有する方、抗凝固療法を実施されている人は注意が必要です。

 いずれの帯状疱疹ワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。それぞれのワクチンの接種後の予防効果の持続期間については、以下の報告があります:

接種後1年時点:6割程度の予防効果
接種後5年時点:4割程度の予防効果
接種後10年時点:報告なし

接種後1年時点:9割以上の予防効果
接種後5年時点:9割程度の予防効果
接種後10年時点:7割程度の予防効果

 2025年度からの帯状疱疹ワクチンの定期接種の対象者は、以下の通りです。

  • 年度内に65歳を迎える人
  • 60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能の障害があり、日常生活がほとんど不可能な人

 ただし、2025年度から5年間の経過措置として、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳に該当する人も定期接種の対象となります。

 帯状疱疹ワクチン接種後には、副反応が見られることがあります。副反応は、通常は軽度で自然に回復することがほとんどですが、気になる場合は接種した医療機関を受診してください。

 また、頻度は不明ですが、まれに重い副反応も報告されています。

  • 生ワクチン: アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、無菌性髄膜炎
  • 組換えワクチン: ショック、アナフィラキシー

 健康被害が起こった場合に備えて、予防接種健康被害救済制度が設けられています。

 定期接種は、住民票のある市町村(特別区を含む)で実施されます。ワクチン接種にかかる費用の助成がある可能性があります。

 ワクチンを接種できる医療機関や、接種にかかる費用、申し込み方法などについては、市町村の公式サイトなどの情報を確認してください。