目次

  1. 元受刑者4人が正社員
  2. 何度も警察の厄介になった思春期
  3. 夫の会社が債務超過に
  4. 建設施工を学んで事業再生
  5. 「私には偏見が無い」と話す理由
  6. 採否の基準は「性根」
  7. コミュニケーションは愛
  8. 1億5千万円をかけた社員寮
  9. 社長は常にアップデート
  10. 「いつ加害者になるか分からない」
  11. 逆境になるほど燃える

 上下黒ずくめで髪の色はブルー、指にはドクロのリングがきらりと光る。三井さんはそんな姿でさっそうと応接室に現れ、白い歯をのぞかせました。

 「わたしはロックも黒もドクロも大好き。人にどう見られるかより、自分がどう生きたいかが重要なんです」

 三井さんが率いる栄進は、屋根や外壁、塗装工事などを引き受け、一般住宅や店舗だけでなく、体育館の屋根の葺き替えなど特殊工事も手がけます。正社員約15人で100人超の職人とも連携し、月間施工件数は300件以上。地域も都内だけでなく、神奈川、千葉、茨城、山梨各県に広がっています。

栄進がリフォームを手がけた住宅(栄進提供)
栄進がリフォームを手がけた住宅(栄進提供)

 栄進にはもう一つの顔もあります。元受刑者らの社会復帰を支える日本財団の「職親(しょくしん)プロジェクト」に参加。現在は、4人の元受刑者が正社員として働いています。

 「偏見はもともとありません。私自身、そんな風に過ごした時期がありましたから」

 朝食を終えると、ビニール袋を持ってバターなどをしまっておく。そんな記憶が、当時3歳くらいだった三井さんの脳裏に残っています。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。