目次

  1. アイヌ中小企業振興対策事業費補助金とは
  2. 補助金で支援する事業内容
    1. 展示・販売会開催事業
    2. 技術研修事業
  3. 補助率と補助上限
  4. 応募方法とスケジュール
  5. 補助金の審査と採択

 中小企業庁の公式サイトによると、アイヌ中小企業振興対策事業費補助金は、小規模・零細で家内工業的な規模の事業者が多いアイヌ中小企業・小規模事業者の経営基盤を強化することにあります。

 アイヌ民工芸品に関して、「展示・販売会開催支援事業」と「民工芸品制作技術の向上を図る技術研修支援事業」の二つの事業を実施することで、この目的を達成しようとしています。

 補助金の交付対象となるのは、アイヌ民工芸品に関する知見を持つ民間事業者等です。ここでいう「民間事業者等」とは、国及び地方公共団体を除く企業または団体で、定款等により代表者、活動内容、財産管理方法などが確認できる者を指します。

 事業の対象者は、北海道に居住するアイヌ民工芸品制作者です。

 補助対象となる事業は、以下の二つです。

 アイヌ民工芸品の販路拡大を支援するための事業です。具体的には、以下のような活動が想定されています。

  • 展示・販売会の開催: 年4回以上開催することが求められます。他の機関の展示・販売会への参加も可能です。できる限り多くのアイヌ民工芸品制作者等が参加し、参加者の選定には透明性を図る必要があります。展示・販売会の企画には、製品の展示・販売だけでなく、制作実演や制作体験など、消費者の関心を引く内容を取り入れるよう努めることが重要です。
  • 消費者動向・ニーズ調査: 高価格帯の製品を好む顧客層を対象に、大都市圏での展示・販売会を実施し、消費者動向やニーズを調査します。調査結果はアイヌ民工芸品制作者にフィードバックするための報告会を開催します。
  • ガイドブックの作成: アイヌ民工芸品の歴史、作品、作家を紹介するガイドブックを作成・配布し、広報活動を行います。
  • ブランディング等の検討: 販路拡大・販売促進を図るためのブランディング戦略の必要性などについて検討を行います。

 アイヌ民工芸品制作者の技術向上や新たな商品開発を支援するための研修事業です。

  • 技術研修: 北海道内のアイヌ民工芸品制作者を対象に、2週間以上の技術研修を実施します。
  • 短期研修: 熟練制作者からの技術やアイデアの習得、成功企業の取り組みを中心とした商品開発や起業(経営)のノウハウ習得のための短期研修を6回以上実施します。
  • 成果普及: 研修修了者が、研修成果や制作民工芸品の紹介などを発表する機会を設けます。

 補助率は補助対象経費の1/2以内で、上限額は716万5000円となっています。事業ごとの補助金額の目安として、展示・販売会開催事業に637万円程度、技術研修事業に80万円程度と想定されています。

 募集期間は、2025年5月21日(水)から6月12日(木)17時まで(必着)です。応募は原則として、補助金申請システム「Jグランツ」を通じて行います。Jグランツを利用するにはGビズIDの取得が必要です。

 GビズIDが取得できない場合は、電子メールまたは郵送での提出も可能です。

 また、事業概要説明会が5月27日(火)14時から「teams」で開催します。参加を希望する場合は、5月26日(月)12時までに申し込みが必要です。詳しくは、中小企業庁の公式サイトへ。

 提出された応募書類に基づいて審査します。必要に応じてヒアリングや現地調査、追加資料の提出が求められることがあります。採択は、第三者の有識者で構成される委員会での審査を経て決定します。

 審査基準は、事業内容(目的との整合性、具体性、新規性)、実施方法(内容との整合性、具体性、効率性、創意工夫)、実施機関(実施能力、公平・中立性、過去の実績、財務・経理の適性)、実施体制(適格性、協調・協力の体制、実施スケジュール)が総合的に評価されます。

 加えて、賃上げやワーク・ライフ・バランス(えるぼし認定、くるみん認定、ユースエール認定など)を行っている事業者には加点措置があります。