目次

  1. トランプ大統領のSNSへの投稿内容
  2. 日本製鉄のUSスチール買収提案の経緯
  3. 日本製鉄とUSスチールが歓迎のコメント

 トランプ大統領が自身のSNSに投稿した趣旨は以下の通りです。

多くの検討と交渉の結果、USスチールがアメリカにとどまり、本社も偉大な都市ピッツバーグに維持し続けると発表できることを誇りに思います。これはUSスチールと日本製鉄の間の計画的なパートナーシップであり、少なくとも7万人の雇用を創出し、アメリカ経済に140億ドルの経済効果を追加します。これは、ペンシルベニア州の歴史上、最大の投資になる。私の関税政策は鉄鋼製品が再びそして永遠にアメリカ製であることを確実にします。ペンシルベニア州からアーカンソー州へ、そしてミネソタ州からインディアナ州まで、メイドインアメリカが帰ってきました。5月30日(金)にピッツバーグのUS Steelで開催されるビッグラリーで、皆さんにお会いしましょう。

ドナルド・J・トランプ氏のSNS

 日本カウンターインテリジェンス協会理事の和田大樹さんの記事「日米首脳会談 トランプ氏、日本製鉄とUSスチールは『買収ではなく投資』」によると、日本製鉄は、USスチールに対し、2023年12月に米国子会社であるNIPPON STEEL NORTH AMERICA, INC.を通じ、米国の高炉・電炉一貫の鉄鋼メーカーであるUSスチールを買収することと、USスチールとの間で本買収に関する合併契約を締結することを決定したと発表しました。

 しかし、2025年1月、バイデン前大統領が日本製鉄によるUSスチール買収を阻止する姿勢を正式に発表しました。その後、トランプ大統領就任後は買収には否定的ながら、「多額の投資をする」という見方を示していました。

 トランプ大統領は日本製鉄によるUSスチール買収提案に関して、対米外国投資委員会(CFIUS)に新たに審査を命じていました。ロイター通信によると、委員会のメンバーの多くは“軽減策によって安全保障上のリスクに対処できる”との認識を示したといいます。

 トランプ大統領のSNS投稿は、このCFIUSの審査結果を受けてのコメントだとみられます。

 トランプ大統領が日本製鉄とUSスチールの「パートナーシップ」を支持すると投稿したことに対し、日本製鉄は「日鉄とUSスチールのパートナーシップを承認されたトランプ大統領のご英断に心より敬意を表する」との声明を発表しました。

 USスチールも公式サイトで「USスチールはアメリカのままであり続け、新日鉄とのパートナーシップを通じて、今後4年間で巨額の投資、新技術、数千人の雇用をもたらすことで、私たちはより大きく、より強く成長します。U.S.スチールは、トランプ大統領のリーダーシップと、何千人もの鉄鋼労働者と当社の象徴的な会社の将来に対する個人的な関心を高く評価しています」とコメントしました。