商売人の息子、接客は「向いていた」

――家業は1917年創業の老舗洋品店だそうですね。どんな思い出がありますか?

 熊本市内で100年前から商売を営んできました。商店街のなかの店の上、2階が家でした。部活のない日は店番をやって、年が明ければ「福袋いかがですか」と商店街に向かって叫んでいました。

――たくさんの洋服を扱っている実家で、服への意識が芽生えたのでしょうか?

 ふたつ気づいたことがあります。ひとつは、「あの人から買いたい」というのは最強だということです。ショッピングセンターやユニクロが近くにできましたが、みんなうちの実家を目がけて来てくれる。これって最強だな、と。

 ふたつ目は「洋服ってその人の明日を変えられる」ということです。買った次の日、着ていくときにわくわくしますよね。間近に見ていた実感として、すごい力を持ったものなんだなと思っていました。

子どもの頃の山田さん。お兄さんが「教師になる」と決め、自然と後を継ぐのは山田さん、という流れになったといいます
子どもの頃の山田さん。お兄さんが「教師になる」と決め、自然と後を継ぐのは山田さん、という流れになったといいます

――「後を継ぐ」というのはいつぐらいから意識しましたか?

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。