固定資産税の減免の概要

 固定資産税は、企業が所有する家屋や設備の評価額に対して課税されるため、業績が悪化しても支払う必要があります。政府・与党は、新型コロナの影響で業績が落ち込んだ企業に対し、政府・与党は2021年度(令和3年度)の固定資産税・都市計画税の減免を決めました。

 2020年度(令和2年度)の固定資産税・都市計画税の納税猶予については、総務省のサイトを確認してください。

軽減対象

 減免対象となる税はいずれも市町村税(東京都23区の場合は都税)です。ただし、土地は事業用であっても対象となりません。

  • 事業用家屋および設備等の償却資産に対する固定資産税(通常は取得額または評価額の1.4%)
  • 事業用家屋に対する都市計画税(通常は評価額の0.3%)

軽減率

 中小企業者・小規模事業者について、2020年2~10月のうち、任意の連続する3カ月間の事業収入が次の場合に減免されます。

  • 前年同期比で30%以上減少の場合……2分の1
  • 前年同期比で50%以上減少の場合……全額免除

 ここでいう事業収入とは、収益事業により生み出される定常的な収入(売上高)で、費用を引いたものではありません。事業や店舗ごとではなく、企業単位で事業や店舗分を合計した事業収入が減少している必要があります。

軽減の対象

 対象となるのは、 個人事業主であれば、常時雇用している従業員数が1000人以下であることと、性風俗関連特殊営業をしていないことが条件です。
 法人であれば、資本金の額又は出資金の額が1億円以下、大企業の子会社でないこと、性風俗関連特殊営業をしていないことが条件です。
 埼玉県川口市のように、簡易チェックシートを公開している自治体もありますので、事前準備に活用してください。

埼玉県川口市が公開している簡易チェックシート

 前年同期との比較が難しい場合は対象外となる場合があります。たとえば、経営者が代わっただけや、会社名が変更されただけの場合など、会社単位で前年との比較が可能な場合は対象となります。

 しかし、事業承継、事業譲渡、会社分割など会社形態が変わり、同じ会社単位での比較が出来ない場合は対象外となる可能性があります。

申請書類

 提出先は、各市町村のため、申請書の様式は提出先の市町村のサイトから入手してください。検索サイトで「固定資産税 減免 ○○(自治体名)」などのキーワードで検索し、見つからない場合は窓口で尋ねてください。

申請受付と締め切り

 市町村の受け付けは2021年1月から始まり、締め切りは1月末までとされています。ただし、実際の申請受付期間は各市町村により異なる場合があるため、事前に確認してください。

申請前に用意しておくべき書類

 申請前に、売り上げの減少が確認できる会計帳簿のほか、法人であれば資本金がわかる登記簿謄本の写しや2020年度の課税明細書、償却資産税の申告書控え、固定資産明細書などを用意してください。

 個人事業主の場合は居住用・事業用割合のわかる所得税の青色・白色申告決算書などを用意しておきましょう。

申請の流れ

 申請の流れは次の通りです。

1. 認定経営革新等支援機関に申請

 各市町村のサイトから申告書を入手し、事業収入割合の減少の状況 、対象資産の内容、自身が対象者であることの誓約を記入し、認定経営革新等支援機関に確認を依頼しましょう。認定経営革新等支援機関とは、次の通りです。

①認定経営革新等支援機関
・認定を受けた税理士、公認会計士又は監査法人、中小企業診断士、金融機関(銀行、信用金庫等)など
②認定経営革新等支援機関に準ずるもの
・都道府県中小企業団体中央会 ・商工会議所 ・商工会
・農業協同組合 ・農業協同組合連合会 ・森林組合
・森林組合連合会 ・漁業協同組合 ・漁業協同組合連合会
③認定経営革新等支援機関として認定されていない者で、帳簿の記載事項を確認する能力がある、下記機関又は下記資格を有する者
・税理士 ・税理士法人 ・公認会計士 ・監査法人
・中小企業診断士 ・青色申告会連合会 ・青色申告会

2.申請書の確認

 認定経営革新等支援機関などは、申告内容に誤りがないかどうかをチェックします。

3.市町村に申告

 チェックを受けたら市町村に申告します。郵送による申請を勧めている自治体もあります。

Q&A

 中小企業庁は固定資産税等の軽減措置に関するQ&A集(PDF形式:204KB)を公表しているので、こちらも参考にしてください。

問い合わせ先

中小企業 固定資産税等の軽減相談窓口
電話:0570-077-322
※IP電話等のため上記電話番号に発信できない場合は下記の通り。
電話:03-4335-4543
受付時間:9:30-17:00(平日のみ)

※2020年度(令和2年度)の固定資産税・都市計画税の納税猶予として、国税庁のリンク先を案内していましたが、正確な照会先は総務省でした。リンク先を訂正いたします。