ライトウェイトスポーツカー専門のスギジ

 「ライトウェイトスポーツカー」とは、英国を中心に販売されてきた小型スポーツ車です。車両重量は600~800キロと国産の軽自動車よりも軽く、FRP(繊維強化プラスティック)製ボディが主流です。

 馬力は小さいものの、カーブが続く道では、ほかの車種では味わえないコーナリング性能でファンを魅了してきました。

杉山公男さんが所有する「ケータハム・スーパーセブン」

 そんなライトウェイトスポーツカーを専門に扱うのが、伊豆半島の付け根に位置する静岡県三島市にある杉山自動車工業(愛称・スギジ)です。これまでに2800台の修復を手がけてきました。

高度成長期に創業

 スギジは元々、バスやトラックの商業車を扱う地域の自動車整備工場でした。伊豆箱根バスの整備士だった杉山茂雄さんが1966年に創業。黙々と整備に取り組む父・茂雄さんの姿にあこがれて入社したのが、2代目・公男さんでした。

 当時は高度成長期。伊豆箱根の地域は、観光を中心とした産業が盛り上がっていた時代で、業績も順調に伸びていました。

創業当時の杉山自動車工業の様子

趣味仲間から整備を任されるように

 入社間もない公男さんには、メインの仕事だった大型バスやトラックは任されず、軽自動車の修理などを手がけていました。そんな時に出会ったのが、英国産「モーリスミニMKⅡ1275クーパーS」でした。

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