kintoneプラグインの基本解説 インストール手順や用途別おすすめ
サイボウズ公認 kintone(キントーン)エバンジェリストが、kintoneの拡張機能であるプラグインについて利用シーン別のおすすめを紹介します。このほか、プラグイン・連携サービスの活用法と、適切なプラグイン選定に関してのノウハウも解説します。
サイボウズ公認 kintone(キントーン)エバンジェリストが、kintoneの拡張機能であるプラグインについて利用シーン別のおすすめを紹介します。このほか、プラグイン・連携サービスの活用法と、適切なプラグイン選定に関してのノウハウも解説します。
用途別のおすすめプラグイン・連携サービスをご紹介します。ピックアップしたのは、次のサービスです。
なお、プラグインや連携サービスは、個別の利用シーンやアプリによって適切なものが異なります。
ここでご紹介するものが、すべての用途や環境に対して、必ずしもおすすめできるものではないことをご了承の上で、参考にしていただければ幸いです。
kintoneに素敵なカレンダー機能をプラスするプラグイン。カレンダー系プラグインの定番です。カラフルなカレンダー表示を実現し、マウス操作によって直感的な操作を可能にします。料金はkintoneユーザー数別の買い切り形式。無期限トライアル可能(アラート表示あり)
あらかじめ登録したPDFフォーマットに、kintoneのデータを埋め込んでPDF帳票を出力します。見積書や請求書等の社内フォーマットへの対応、一覧画面から絞り込んだ複数レコードの帳票一括出力等が可能になります。料金は月額・年額のサブスクリプション形式。30日間の無料トライアル可能。
日付または日時フィールドに、年数、月数または日数を加算減算し、別フィールドに登録します。日付計算の結果に対してリマインダー通知を設定したりすることが可能になります。料金は年額サブスクリプションまたは買い切り方式。無期限トライアル可能(アラート表示あり)
指定した日付の年度を数値フィールドまたは文字列(1行)フィールドに記録するプラグインです。月、四半期、半期を記録することもできます。データの年度別集計などに活用できます。料金は年額サブスクリプションまたは買い切り方式。無期限トライアル可能(アラート表示あり)
kintone内の情報を、kintoneアカウントを持たないユーザーにも公開可能にするサービスです。一覧ビュー、グラフビュー、カレンダービューなど、多彩な見せ方が可能です。料金は月額・年額のサブスクリプション形式。30日間の無料トライアル可能。
回答内容が kintoneに自動で登録されるWebフォームを簡単に作成することができるサービスです。条件分岐付きのフォームや、確認画面、自動返信メールも利用可能です。お問い合わせフォームや、アンケート等に利用可能です。料金は月額・年額のサブスクリプション形式。30日間の無料トライアル可能。
kintoneの特徴として、基本的なアプリの構築をプログラミング無しで作ることができるという「簡単さ」があります。
そのため、kintoneが標準で持っている機能は、なるべくシンプルに作られているという設計思想が見えてきます。標準機能だけでも、工夫することでさまざまな業務アプリを構築することができます。
一方、kintoneには、拡張機能が備わっているのも特徴です。拡張機能を駆使することで、標準機能でできないことに対しては、個別にカスタマイズしたり、連携サービスを利用したりすることで、使う側のニーズに合わせた対応ができるようになっています。
カスタマイズの方法には、JavaScriptというプログラミング言語による直接カスタマイズを加える方法と、あらかじめJavaScriptで作られてパッケージングされた「プラグイン」を導入する方法があります。
連携サービスの利用とは、サービス提供メーカーが提供するWebサービスにログインして、そこから自社のkintoneへの接続設定をしたうえで、拡張機能の設定を行うことを言います。
連携サービスのほうが、JavaScriptカスタマイズやプラグインのように、kintoneアプリに設定することで機能を付加させるものと比べて、kintoneをより拡張することが可能です。
それでは拡張機能を使うと何ができるのでしょうか。kintoneに無い機能を何でも作ることができるわけではありません。
kintoneにはカスタマイズ機能を動かすための連携機能が用意されていて、その連携機能の範囲内でプラグイン・連携サービスを導入できるようになっています。
プラグイン・連携サービスでできることは大きく以下のように分類できます。
フィールドの機能を拡張する
計算機能の拡張(日付計算の結果を日付フィールドに反映させる等)
自動採番を行う
アプリ間連携を拡張する
アプリ間のデータ連携の自動化
kintoneの機能的弱点をカバーする
印刷機能の拡張
カレンダー表示の拡張
外部連携
Webフォームからの入力をkintoneに自動登録
kintoneのデータを外部公開
この他にもさまざまな機能を持つプラグインがリリースされています。
プラグインの作成については、仕様が公開されており、2021年4月時点で有償・無償を合わせて300を超えるプラグインが確認されています。
プラグインや連携サービスを使うためには、kintoneの契約コースが「スタンダードコース(月額1500円/ユーザー)」である必要があります。現在の契約がライトコースの場合には、コースの変更が必要となります。サイボウズからWeb上で直接購入している場合は、Web上のストアからの操作によって数分で契約変更が可能です。販売パートナーを経由して契約している場合は、パートナーを通じて契約変更ができますが、手続きの都合上時間を要する場合もあります。早めに対応するか、事前に所要日数を確認しておくようにすると良いと思います。
数百もリリースされているプラグインの中で、どれが自社にとって必要なものなのか?プラグインの要否や、選定に迷っているkintoneユーザーの声をよく聞きます。ここでは、一般的にはなりますが、その考え方を簡単に紹介します。
そもそも、プラグインが必要か?これを判断できるようになるためには、前提条件として、kintoneの標準機能をキチンと理解し把握することが重要です。
kintoneの標準機能はシンプルですが、それを組み合わせて活用することでさまざまな用途に対応できるようになっています。
まずはどのような機能があるかを理解し、それらを組み合わせてアプリを作ってみる、というトライアルを繰り返し経験を積むことが必要です。
標準機能の理解・把握をすれば、先ほど紹介した「カレンダーPlus」のように、明らかに今kintoneに無い機能なら、必要かどうかすぐに判断できるようになるでしょう。
一方、アプリ内でちょっとした機能を追加したいなどの場合だと、標準機能の理解・把握だけでは難しい面があります。ある程度のITリテラシーとアプリ構築の経験が必要です。
なぜなら、「やりたいこと」と「必要な機能」を結びつける思考ロジックが不可欠だからです。
多くのプラグインは、そのプラグインが持つ「機能」をその名称に持っています。実際に私が開発に関わっているプラグインでも、「日付計算プラグイン」「年度記録プラグイン」のように「機能」がプラグイン名になっています。
これに対して、利用者の立場で考えてみると、利用者はkintoneアプリで実現したいことはわかっています。しかし、どんな機能を導入すれば実現できるのかわからない方がしばしばいます。
また、おすすめのプラグイン・連携サービスをご紹介した章でも記載したように、各企業の「やりたいこと」やアプリごとによっても必要な機能は大きく変わります。
名称が機能名になりやすいのに、導入すべき機能が何か判別できない。加えて環境によっても変わる。適切なプラグインを選ぶのが難しいのはそのためで、ゆえにITリテラシーやアプリ構築の経験が必要なのです。
しかし、企業によっては、担当者にそれらを積ませる余裕がないところもあるでしょう。
この過程を省略したり急ぎたい場合は、外部の業者に相談するという手段もあります。私のところにも実際に、プラグインや連携サービス選定の相談も多く寄せられています。
kintoneのユーザーは、SNS(Twitter等)やキンコミというサイボウズ公式の kintoneユーザーコミュニティーサイトで、kintoneについてしばしば意見を交換することがあります。
そこで寄せられている質問や相談に多く見られるのが、次のようなものです。
「kintoneを始めて2日目です。〇〇のような機能を作りたいのですが、kintoneでできませんか?カスタマイズやプラグインを教えて下さい。」
このような質問をされている方の思考を想像してみると、きっと頭の中にkintoneで作りたいシステムの姿が、ある程度具体的に描かれているのだと思います。
ただ、その具体的な仕組みをそのままkintoneで実現しようと考えていて、そのためにkintoneに求めるそのものの機能が見つからない、という状況になっていると考えられます。
こうした方は、「やりたいこと」との差を埋める機能を持つプラグインを探して、次々にアプリに追加しがちです。
機能上、1つのアプリに20個までプラグインを入れることができます。しかし、数が増えてくると、どのプラグインがアプリのどの部分に関係しているのか把握することが難しくなってきます。
kintoneアプリは最初に作って終わりではなく、使い始めたときが業務改善の始まりです。実際に使って出てきた課題を、アプリの改善をしながら解決していく、というサイクルを回していくような取り組みが理想です。
また、会社でkintoneを利用する場合、アプリの管理は自分ひとりではなく、自分が異動になったときに困らないように、他のメンバーや後任の担当者が見ても把握できるようにしておく必要があります。
プラグインを使うべきかどうか?どのプラグインが適切なのか?これは、kintoneを使う上で永遠の課題とも言えますが、なるべくシンプルな形で使っていきたいものです。
kintoneのプラグインの料金体系は、大きく分けると3つの形式があります。
多くのプラグインは有料で提供されており、その料金の中で、不具合対応やkintoneのアップデートへの対応、導入後のサポートが行われています。
無料で提供されているプラグイン(無料プラグイン)にも、大きく2つのパターンがあります。
1つは有料プラグインを提供しているメーカーが、販促や広告のために無料提供しているもの。もう1つは、カスタマイズ技術のサンプルコードとして公開されているもの(cybozu developer network等で公開されているもの)や個人が作ったものが公開されているものです。
会社の業務システムとして無料プラグインを活用する場合は、次のようなリスクがあることを理解したうえで利用する必要があります。
プラグインを使うためには、3段階の設定が必要となります。
ここでは後から紹介するプラグイン「カレンダーPlus」を例にしながら、プラグインのインストール、設定の手順を簡単に解説します。
まず、プラグイン提供元から提供されるプラグインファイル(zipファイル)を用意します。次に、kintoneのシステム管理画面から、利用しているkintone環境に対してプラグインをインストールする必要があります。
この操作で、この環境内の全てのアプリで、このプラグインを利用できるようになります。
プラグインを利用するアプリの設定画面で、プラグインを追加します。
アプリの設定画面からプラグインの管理画面を開き、プラグインの追加ボタンを押すと、インストールしてある利用可能なプラグインの一覧が表示されますので、ここから追加するプラグインを選択します。
アプリへプラグインを追加したら、次に各プラグインの動作設定を行います。
今回入れてみたプラグインは、カレンダーPlusといって、「kintoneに素敵なカレンダー機能をプラスする」というコンセプトで作られている製品です。カレンダー表示に必要な項目を設定画面で設定していきます。設定が必要な内容は、プラグインによって異なります。
設定が完了したら、保存してアプリを開き、プラグインの動作を確認しましょう。下の図のように、月別表示しかなかったkintoneの標準カレンダーに、リッチなカレンダー機能を追加することができました。
このプラグインでは、カレンダー上でマウス操作によって予定の移動やコピー、削除も可能ですし、表示形式も月・週・日の3つのタイプを切り替えて使うことができるようになります。
利用しなくなったプラグインは、アプリから削除しておくことをおすすめします。アプリからプラグインを削除するためには、アプリの設定からプラグイン管理画面を開き、該当するプラグインの右端にあるゴミ箱アイコンから削除することができます。
また、プラグインの機能を一時的に無効化させることも可能です。プラグイン管理画面の各プラグインの左端の「無効にする」ボタンの操作によって無効/有効の切り換えが可能です。
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