雇用調整助成金、2022年7月以降どうなる?一部地域・業況で特例を維持
厚生労働省は雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置について、2022年9月末まで継続する方針を発表しました。特例措置に当てはまる場合は給付水準が維持されます。ただし、売り上げ減が3割に満たない企業などへの給付水準は2022年1月から順次引き下げています。
厚生労働省は雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置について、2022年9月末まで継続する方針を発表しました。特例措置に当てはまる場合は給付水準が維持されます。ただし、売り上げ減が3割に満たない企業などへの給付水準は2022年1月から順次引き下げています。
目次
雇用調整助成金とは、新型コロナの影響で、事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、労使間の協定に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に、休業手当などの一部を助成するものです。
原則的な措置と、特例措置で助成内容が変わります。
特例措置とは、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主を対象に、雇用調整助成金の支給要件を緩和するものです。具体的には、助成率と上限が引き上げられています。
中小企業は総額の5分の4(解雇しない場合は満額)、大企業の場合は3分の2(解雇しない場合は4分の3)まで助成してきました。特例措置では、大企業の場合も、各府都県の知事による営業時間短縮要請に協力した場合は満額まで助成を引き上げていました。
解雇しない場合の助成率の判断は、原則的な措置では、2020年1月24日以降の解雇等の有無で適用する助成率を判断し、地域・業況特例では、2021年1月8日以降の解雇等の有無で適用する助成率を判断することになりました。
厚労省は上限額と助成率を縮小を検討していますが、緊急事態宣言などが長引くなかで、一部地域と業況について特例措置を延長することにしました。
特例措置の対象となるのは下記のいずれかに当てはまる場合です。
休業の初日が属する月からさかのぼって3か月間の月平均値の売上高などが、2020年同期または2019年同期よりも3割以上減少していることが条件となります。ただし、2019年、2020年と比較するときに、雇用保険適用事業所設置後であって労働者を雇用している場合に限ります。
以下の4点を満たす飲食店やイベントなどを開催する事業主が対象です。
地域特例に当てはまるかどうかは施設ごとに判断することとなりますので、詳しくは各自治体に問い合わせてください。
雇用調整助成金は、通常、1年の期間内に実施した休業などについて受給することができます。しかし、新型コロナの影響を受けた事業主は、特例措置の延長により、1年を超えて受給を続けられることになる見込みです。
雇用調整の初日が2020年1月24日から2021年3月31日までの間の場合は、1年を超えて引き続き受給できるようになります。ただし、厚生労働省令の改正が必要になります。
雇用調整助成金について、特例措置の延長が続いているため、雇調金の支出は11月までに4.8兆円に迫り、2021年度の財源も使い切って他の事業資金をあてにしている状態に陥っています。
そこで、売り上げの減少が3割に満たない企業などへの給付水準は2022年1月から順次引き下げ、業況と地域の特例にあてはまる企業のみ2022年9月までこれまでの水準を維持することにしました。
厚労省の公式サイトの「雇用調整助成金の様式ダウンロード」では、4つの質問に答えると、13通りの申請書のなかから自社の状況にあった申請書をお勧めする仕組みをつくりました。
雇用調整助成金の申請が複雑になっており、制度の見直しのたびに申請書も変更されているので最新の書類を使いましょう。
雇用調整助成金についての問い合わせは、雇用調整助成金、産業雇用安定助成金、学校等休業助成金・支援金コールセンター(0120-60-3999 受付時間 9:00~21:00 土日・祝日含む)で受け付けています。
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