4回目の緊急事態宣言、いつからいつまで?要請内容や休業補償を解説
政府は2021年4月以降、新型コロナウイルスの対応特別措置法にもとづく緊急事態宣言を出しています。東京や大阪など19都道府県で9月12日の期限を9月30日まで延長しました。あわせて緊急事態宣言の解除に向けた新指標も公表しました。いつからいつまでか、要請内容や休業補償、協力金について政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の資料をもとに整理しました。(2021年9月10日更新)
政府は2021年4月以降、新型コロナウイルスの対応特別措置法にもとづく緊急事態宣言を出しています。東京や大阪など19都道府県で9月12日の期限を9月30日まで延長しました。あわせて緊急事態宣言の解除に向けた新指標も公表しました。いつからいつまでか、要請内容や休業補償、協力金について政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の資料をもとに整理しました。(2021年9月10日更新)
目次
3回目の緊急事態宣言はもともと2021年4月25日から5月11日までの17日間でしたが、新型コロナの感染拡大により、対象地域の追加や延長が相次ぎました。
緊急事態宣言をいったん解除し、まん延防止等重点措置に移行していた東京都に対し、政府は7月12日から8月22日まで4回目となる緊急事態宣言を出しました。7月11日が期限だった沖縄県の緊急事態宣言も8月22日まで延長しました。
感染が拡大するなか、政府は東京都と沖縄県の期限を8月31日まで延長し、「まん延防止等重点措置」を適用している埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府に8月2日から緊急事態宣言を出すことを決めました。
しかし、感染力が強い変異株(デルタ株)の影響で感染拡大が止まらず、8月20日からは茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加しました。
8月27日からは、北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県を追加しました。
さらに、8月31日が宣言の期限だった東京や大阪など6都府県も含めて期限を9月12日とし、宣言地域は21都道府県に広がりました。
その後、宮城県と岡山県は9月13日からまん延防止等重点措置に引き下げましたが、残りの19都道府県は9月30日まで延長します。
緊急事態宣言が継続する19都道府県は次の通りです。
2021年7月に東京都で緊急事態宣言が発令されるのは、4回目となります。今後の緊急事態宣言の解除について、菅首相は8月17日の記者会見で次のように説明しました。
「今回の宣言を解除する前提は、国民の命と健康を守ることができる医療提供体制の確保です」
今後、電話診察を強化するため診療報酬を引き上げるほか、軽症から中等症の患者の重症化を防ぐ「抗体カクテル療法」について、ホテルを臨時の医療施設として使用する考えを示しました。
感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」への置き換わりが日本でも進んでいることから対策を打ったとみられます。
政府は、緊急事態宣言の解除に向けて、これまでの基準を緩和した新指標を採用することを決めました。
新指標を採用する理由について、政府コロナ対策分科会の尾身茂会長は9月8日の会見で、ワクチン接種が進み感染しても重症化する割合が減り「(新規感染者数がこれまでの基準を超えても)すぐに医療逼迫につながらなくなった」と説明しました。
緊急事態宣言で要請している内容を施設ごとにまとめました。
酒類やカラオケ設備を提供する飲食店には休業を要請します。ここには、飲食業の許可を受けていないカラオケ店や利用者による酒類の店内持込みを認めている飲食店を含みます。
これ以外の飲食店に対しては、営業時間の20時までの短縮の要請をします。
大型商業施設には、百貨店やショッピングセンター、量販店や映画館などが含まれます。感染拡大を防ぐために、大規模商業施設への入場制限を要請。さらに都道府県の判断で土日の休業要請ができるようになりました。
大規模イベント制限については、開催を21時までとし、入場者も収容人数の50%を上限に最大5千人とするよう要請しています。
職場への出勤者を7割削減することを目標にし、とくに在宅勤務の活用や休暇取得の促進で、出勤者数を減らすことに努めるよう強く働きかけます。さらに経済団体に対し、在宅勤務などによる出勤者数の7割削減の実施状況を各事業者が自ら積極的に公表するよう要請することにしました。
さらに、高齢者や基礎疾患を有する者など重症化リスクのある労働者や妊娠している労働者、同居家族にそうした者がいる労働者については、本人の申し出などを踏まえ、テレワークや時差出勤などの感染予防のための就業上の配慮を行うことも求めます。
学校の一斉休校はしませんが、部活動やサークル活動については一定の制限や自粛を求めます。
政府は、都道府県向けに5000億円の特別枠「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(事業者支援分)」を設けました。事業者に向けた具体的な緊急事態宣言の休業補償は、施設によって異なります。
緊急事態宣言の地域またはまん延防止等重点措置地域についてです。時短要請に応じた中小企業は、売上高に応じて1日1店あたり3万~10万円。大企業は、売上高減少額に応じて1日最大20万円(中小企業も選択可能)となります。
休業や時短の要請に応じた協力金の支払いが遅れていることから、菅総理は手元に早く届くよう先渡しできる仕組みを設けることを表明しました。
そのほかの地域・業種でも、①時短要請の対象である飲食店と直接・間接の取引があること、②不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けていることなどを満たし、2019年比または2020年比で対象月の売上が50%以上減少している場合は、売上減少相当額(法人は月20万円が上限、個人は月10万円が上限)が受けられる場合があります。
休業要請に応じた1000平方メートル超の施設には、1日あたり施設の床面積1000メートルごとに20万円、テナントで100平方メートルごとに2万円となります。5月7日に拡充されましたが、4月25日分から適用されます。
観光庁は、自治体の観光促進策を後押しする「地域観光事業支援」について、12月末まで延長しつつ、感染が落ち着いた後に利用できる前売り宿泊券や旅行券なども支援対象にすることを決めました。
対象地域や業況の厳しい業種では、雇用調整助成金が特例措置が11月末まで維持されることが公表されています。
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