コロナ禍で「ライブ活動を行う権利、確認したい」音楽4団体が共同声明
日本音楽事業者協会など音楽業界4団体は2021年7月10日、行政機関ではないところからライブ中止要請が寄せられているとして「政府の対処方針・自治体のルールを守り、行政機関からの中止要請のない限り、ライブ活動を行う権利を有することを確認したい」との共同声明を発表しました。これまでの経緯も含めて紹介します。
日本音楽事業者協会など音楽業界4団体は2021年7月10日、行政機関ではないところからライブ中止要請が寄せられているとして「政府の対処方針・自治体のルールを守り、行政機関からの中止要請のない限り、ライブ活動を行う権利を有することを確認したい」との共同声明を発表しました。これまでの経緯も含めて紹介します。
共同声明を出すきっかけの一つが、は茨城県で開催予定だった「ROCK IN JAPAN FESTIVAL2021」です。
茨城県医師会が7月、感染力の強い変異株の感染拡大が懸念されるなかで「例年に比べ大幅な入場制限等の措置が取られるとしても、現下の状況で開催されることについては、強い危機感を抱かざるを得ません」として、開催の中止や延期の検討などを要請し、運営事務局が中止を決めました。
共同声明によると、ほかにも宮城県で開催予定だった「ARABAKI ROCK FEST.20th×21」でも宮城県医師会・仙台市医師会・柴田郡医師会の連名で主催者に中止要請の手紙が届いていたといいます。
こうした中止要請に対して音楽業界4団体は共同声明を出しました。要旨は次の通りです。
私たちは政府の基本的対処方針に基づき、公演開催地各自治体との協議のうえ、感染拡大防止を第一義としてライブの場を広げて来ています。
そして政府関係当局や専門家先生方の助言をいただき業界独自のガイドラインも制定し、より安全な形でのライブを行っております。
しかしながら政府や各自治体といった行政機関ではないところからライブ中止要請などが出され、その事によってライブを中止せざるを得ない事態が起きています。
法的な中止権限はないとはいえ、地元の医師会が反対する中での開催は主催者にとって大きな負荷となるのは言うまでもありません。ライブエンタテインメント以外では、国のガイドラインを守っている飲食店が地元の医師会から営業停止要請で休業するというような例は余り聞いたことがありません。
参加人数の多さ等、影響の違いはありますが、大切なのはルールを守り、それが行政機関によって認められている営業活動は守られるべきだという事です。無論、地元の方との協議や調整は必要です。むしろ私たちはそれを積極的に行っていきたいと思います。
私たちは、あらためて政府の対処方針・自治体のルールを守り、行政機関からの中止要請のない限り、ライブ活動を行う権利を有することを確認したいと思います。
日本音楽事業者協会の公式サイトから
大きな音楽イベントでは、県境をまたいで観客が訪れます。政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の7月7日の資料によると、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の新規感染者数は増えており、とくに東京では、20代を中心に10~30代が多く、50代以下を中心に、入院者数、重症者数は増加に転じているといいます。
一方で、「大きな声を出す」「観客が密集する」「地域をまたぐ移動が発生しやすい」というリスクのある音楽イベントについて音楽業界も感染予防のためのガイドラインをつくり対策を進めています。
たとえば「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防ガイドライン」では、次のような観客と講演関係者の基本行動ルールを定めています。
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