東京五輪や夏休み期間のサイバー攻撃に注意 政府も呼びかけ
夏休み期間は例年、企業のセキュリティリスクが高まる時期です。2021年はとくに新型コロナだけでなく、東京五輪に乗じた海外からのサイバー攻撃も予想されています。想定されるリスクや具体的な手口、休暇明けに企業が取りたい対策について紹介します。
夏休み期間は例年、企業のセキュリティリスクが高まる時期です。2021年はとくに新型コロナだけでなく、東京五輪に乗じた海外からのサイバー攻撃も予想されています。想定されるリスクや具体的な手口、休暇明けに企業が取りたい対策について紹介します。
目次
過去の五輪大会でも、サイバー攻撃が起きています。2012年のロンドン五輪では、開会式で電力システムが攻撃されました。2016年のリオ五輪の直前にも、電力会社などから個人情報が盗まれ、ネットに公表される被害が起きました。
2021年の東京五輪でも、組織委員会やスポンサー企業を攻撃するために、関連する企業だけでなく、セキュリティ対策の甘い国内企業が踏み台として狙われるおそれがあります。
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は2021年7月21日、重要インフラ事業者などに向けて、サイバーセキュリティ確保を求める注意喚起を出しました。
具体的に想定されるサイバー攻撃は、不正なWebサイトへ誘導したり、なりすましメールやSNSでファイルを開かせたりしてウィルスに感染させる手口、Webサイトの業務を停止させるDoS攻撃などがあります。
インターネット上では「【至急】東京オリンピック開催に伴うサイバー攻撃等発生に関する被害報告について.exe」という名称の実行形式のファイルが見つかっていますが、トレンドマイクロ社はブログで「一般に拡散している形跡もないことから、訓練用サンプルや単なるいたずら目的等の可能性もあるものと言えます」と説明しています。
こうしたサイバー攻撃に対し、とくに長期休暇中は、システム管理者が不在になり、ウィルス感染や不正アクセス等の被害が起きていても対応が遅れる場合があります。企業は、従業員にも下記のリスクを周知しておきましょう。
サイバー攻撃の被害に遭う端緒をいくつか紹介します。
こうした偽のWebページやメールは巧妙なものが出てきています。中身がどうしても気になる場合は、すぐにクリックするのではなく、大会や企業の公式サイトからアクセスするよう伝えましょう。
よく使う公式サイトならあらかじめブックマークしておいたり、スマホの場合は専用アプリを使ったりすることでも被害を防げます。
社外からメールで受け取ったWordやExcelを受け取った場合、中身を確認するだけなら「コンテンツを有効にする」は押さないようにしましょう。そうすることでウィルス感染を防げる場合があります。
ブラウザのプッシュ通知を悪用して「コンピュータが危険にさらされている」「携帯をクリーンアップしてください」といったメッセージが繰り返し表示されることがあります。メッセージをクリックすると、偽のWebサイトに誘導されてしまうことがあります。
さいごに、休暇明けに企業が取っておきたい対策を整理しました。
休み期間にOSや各種ソフトの修正プログラムが公開されている場合があります。公開されている場合は更新しましょう。ただし、システム管理者の指示で実施することが望ましいです。
休みの期間に電源を切っていたパソコンは、セキュリティソフトの定義ファイルが更新されていない場合があります。そのため、仕事を始める前に定義ファイルを更新し、最新の状態にしてください。
休み期間に社外に持ち出したパソコンや、USBメモリがウィルスに感染していないか、仕事の前にセキュリティソフトでウイルススキャンしてください。
実在の企業などを騙った不審なメールに添付ファイルを開いたり、本文中のURLにアクセスしたりすることで、ウィルスに感染したり、フィッシングサイトに誘導されたりしてしまう可能性があります。休み期間の後にたまっているメールに対応していくときにはご注意ください。
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