目次

  1. キャッシュレス決済とは
    1. スマホ決済とは
  2. PayPayの手数料有料化いつから?
  3. QRコード決済の手数料と入金サイクル
  4. 決済サービス選び、マーケティング支援にも注目
  5. QRコード決済やめるとどうなる?

 政府によると、キャッシュレス決済とは、お札や小銭などの現金を使用せずにお金を払うことです。キャッシュレス決済手段には、大きく分けると次の4つがあります。

  1. クレジットカード
  2. デビットカード
  3. 電子マネー・プリペイドカード
  4. スマートフォン決済(スマホ決済)

 このうち、スマホ決済とはスマートフォンに、クレジットカード、電子マネー、銀行口座等を登録し、お店等でのお金を払うときに使える仕組みのことです。

スマホ決済の仕組み(朝日新聞デジタルから引用)

 スマホ決済は、さらに「非接触型決済(非接触IC決済)」と「QRコード決済(コード決済)」の2種類に分けられます。

非接触IC決済とは

 非接触型IC決済とは、クレジットカードや電子マネーを登録したスマートフォンを専用端末にかざして決済する方法です。たとえば、次のようなサービスがあります。

  • Suica
  • WAON
  • 楽天Edy
  • nanaco

コード決済とは

 QRコード(バーコード)決済とは、アプリを使用し、スマホに表示されたコードを店舗側に読み取ってもらうか、店舗のQRコードを読み取って決済する方法です。たとえば、次のようなサービスがあります。

  • PayPay
  • LINE Pay
  • au PAY
  • 楽天ペイ

 これまで、キャッシュレス決済がなかなか普及しなかった理由として、店舗側の導入コストと決済手数料が負担になっていることがありました。

 しかし、経済産業省が2019~2020年に実施した支援事業に加え、QRコード決済事業者が当面の手数料を無料としたことで、中小規模の店舗でも導入が進みました。

 様々な決済サービスがあるなか、シェアを伸ばしていたPayPayはこれまで決済手数料が無料でしたが、2021年10月から中小規模事業者のPayPay加盟店に求める手数料を有料にすることを発表しました。

 加盟店向けのサービス「PayPayマイストア ライトプラン」を利用する場合は1.6%からで、サービスを利用しない場合は1.98%となります。

 このPayPayの有料化に合わせて、ほかのサービスを提供してきた企業は、手数料の引き下げや実質無料のサービスを発表しました。手数料の一覧を次で紹介します。

 主なQRコード決済の手数料と入金サイクル(2021年8月27日時点)は次の通りです。

決済手数料 入金サイクル
PayPay 2021年9月30日まで無料。10月からの手数料は税別1.60%または1.98%※ PayPay銀行なら翌日入金。そのほかは翌々営業日以降
LINE Pay 無料。2021年10月1日以降は税別1.98%(引き下げを発表) 自動精算の場合は翌月初3営業日に入金。入金申請をすると有料で最短翌日入金
au PAY 通常2.60%だが、2022年9月30日まで無料を延長 入金は月1回、月2回、8月から有料の早期振込(最短2営業日で振込)から選択可。早期振込の徴収開始時期は未定
楽天ペイ 3.24%。楽天カード以外なら決済手数料は3.74%。10月1日から2022年9月末まで、年商10億円以下の中小規模の新規加盟店は実質無料(上限なしで全額キャッシュバック) 振込登録口座を楽天銀行にすれば最短翌日入金

※PayPayの手数料は、店舗の集客に活用できる「PayPayマイストア ライトプラン」への契約状況に応じて変動します。

 様々な決済サービスのうち、どのサービスを導入するかを考える上では、上記の手数料や入金サイクルだけでなく、どんなマーケティング支援を利用できるかも参考にしましょう。

 たとえば、PayPayの場合は、加盟店向けの「PayPayマイストア」を利用することで、PayPaの利用客に対して店舗独自の情報を配信できるサービスを利用できます。

 楽天は8月26日、楽天ペイのアプリをアップデートしました。楽天ペイの利用シーンを増え、来店ポイントアプリ「楽天チェック」や店舗のクーポン機能などが使えるようになりました。楽天会員に対し、こうしたサービスで訴求できる可能性があります。

 LINE Payの魅力はLINE公式アカウントとの連携です。LINE Pay決済時にアカウントへの友だち追加を促すことでリピート客の獲得に役立ちます。au PAYにも、auユーザーへの訴求やアプリとの連動などユーザー獲得しやすいメリットがあります。

 手数料無料が終わることでQRコード決済をやめることを検討している事業者もいます。QRコード決済をやめるメリットは次の通りです。

  • 手数料の負担がなくなる
  • 入金までのタイムラグを心配しなくて済む

 一方で、QRコード決済をやめるデメリットは次の通りです。

  • 現金管理のリスク
  • 売上管理の作業量
  • 機会損失

 窓口やATMでたくさんの小銭や硬貨を入金するときに手数料が必要な金融機関が増えているので、新たなコストが発生、増えていないかを確認しましょう。