官公需とは 国が中小企業との契約目標を明記 2024年度は5.3兆円
官公需とは、国や独立行政法人、地方公共団体などがモノやサービスを購入したり、工事を発注したりすることを指します。政府は毎年度、官公需における中小企業・小規模事業者との契約比率を定めた基本方針を閣議決定しています。2024年度の契約における中小企業の目標比率は61%、金額は5.3兆円と定めました。2024年度は「物価高に負けない賃上げの実現に向け、官公需においても価格転嫁を進める」方針が明記されました。
官公需とは、国や独立行政法人、地方公共団体などがモノやサービスを購入したり、工事を発注したりすることを指します。政府は毎年度、官公需における中小企業・小規模事業者との契約比率を定めた基本方針を閣議決定しています。2024年度の契約における中小企業の目標比率は61%、金額は5.3兆円と定めました。2024年度は「物価高に負けない賃上げの実現に向け、官公需においても価格転嫁を進める」方針が明記されました。
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相次ぐ自然災害や新型コロナなどの影響を受け、中小企業は厳しい経営環境に置かれています。こうした状況下でも、最低賃金引き上げを含む働き方改革が求められています。
政府は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)で、中小企業などの受注機会を増やそうとしています。具体的には、国などが中小企業と契約する目標を毎年度定めています。
経済産業省の公式サイトによると、政府は2024年4月「令和6年度(2024年度)中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を閣議決定しました。具体的な数値目標は次の通りです。
中小企業・小規模事業者向け契約目標の比率は前年度と同じ61%ですが、金額は前年度比で3041億円減の5兆3557億円となりました。
このほか、創業10年未満の新規中小企業者向け契約目標比率を3%としました。
2024年度は、以下の2つを明記しました。
令和4年度(2022年度)の官公需の契約実績は、中小企業などの契約比率が49.8%、金額は4兆7405億円でした。
令和5年度(2023年度)の官公需の契約実績は、中小企業などの契約比率が61%、金額は5兆6598億円でした。
機関ごとの実績は中小企業庁の公式サイトで公表されています。
国などは原則、一般競争契約で、物品の購入などの契約を結んでいます。参加するにはおもに次のような手続きが必要です。
まず、資格登録をしたい機関に「一般競争参加資格審査申請書」を提出する必要があります。持参、郵送、インターネットのいずれでも申請できます。申請を受けた機関が、参加資格を審査します。
全省庁統一資格審査の申請や各省庁の調達情報の検索は、政府の「統一資格審査申請・調達情報検索サイト」へ。
審査の結果、A・B・Cなどのランクが決められ、資格者名簿に登録されます。資格者登録されると、格付けに応じた予定価格の競争入札に参加できます。
一定の資格を有する不特定多数の希望者を競争に参加させ、契約主体に最も有利な条件を提供した場合に契約締結に至ります。
官公需の情報は、官公庁がホームページ上で提供している入札情報を一括して検索・入手できる官公需情報ポータルサイトで探すことができます。
中小企業は1社で受注するのは難しくても、組合による共同受注であれば契約を進めやすくなります。そこで、中小企業庁が事業協同組合の要件を満たしているかを証明する「官公需適格組合」という制度があります。証明を受けた組合は、2021年3月末時点で897団体に上ります。
官公需適格組合は、競争契約参加資格審査において、総合点の算定方法で特例措置の対象になるなどメリットがあり、2019年度の契約実績は、国だけで5393件、金額にして約128億円に上ります。
詳しくは、中小企業庁の公式サイトで確認してください。
官公需適格組合の要件はたとえば次のようなものがあります。
相談窓口は各都道府県に設けられており、中小企業庁の公式サイトで確認できます。
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