新型コロナのワクチン接種拒否者の雇い止め、厚労省「許されない」と見解
厚生労働省は公式サイトで公開している「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を更新し「新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否したことのみを理由として解雇、雇止めを行うことは許されるものではありません」との見解を示しました。配置転換や新規採用についても慎重な対応を求めています。
厚生労働省は公式サイトで公開している「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を更新し「新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否したことのみを理由として解雇、雇止めを行うことは許されるものではありません」との見解を示しました。配置転換や新規採用についても慎重な対応を求めています。
目次
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)は、新型コロナの対応で企業が把握しておいてほしい内容を厚労省が公式サイトにまとめたものです。
次のようなテーマでまとめられています。
厚労省は2021年9月、新型コロナウイルスに関するQ&Aにワクチン接種拒否者への対応を追加しました。
具体的には次の3つの質問について公式サイトで回答しています。
新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否したことのみを理由として解雇、雇止めを行うことは許されるものではありません。
一般に、個別契約または就業規則等において業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることのできる旨の定めがある場合には、企業は労働者の同意なく配置転換を命じることができますが、その場合でも配置転換は無制限に認められるわけではなく、不当な動機・目的がある場合や、配置転換の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の不利益とを比較衡量した結果として、配置転換命令が権利濫用に当たると判断される場合もあります。
新型コロナウイルスの感染防止のために配置転換を実施するにあたっては、その目的、業務上の必要性、労働者への不利益の程度に加え、配置転換以外の感染防止対策で代替可能か否かについて慎重な検討を行うとともに、配置転換について労働者の理解を深めることに努めてください。
なお、労働者の勤務地や職種を限定する合意がある場合に、その限定の範囲を超えて配置転換を行うにあたっては、労働者の自由な意思に基づく同意が必要であることにも留意してください。
また、優越的な関係を背景として配置転換の同意を強要等した場合、職場におけるパワーハラスメントに該当する可能性があります。事業主は、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられていますので、労働者から配置転換の同意を得る際は、パワーハラスメントが生じないよう留意する必要があります。
「新型コロナウイルスワクチンの接種を受けていること」を採用条件とすることそのものを禁じる法令はありませんが、新型コロナウイルスワクチンの接種を採用条件とすることについては、その理由が合理的であるかどうかについて、求人者において十分に判断するとともに、その理由を応募者にあらかじめ示して募集を行うことが望ましいと考えます。
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