目次

  1. 事業承継・引継ぎ補助金とは
  2. 3つの枠組みと補助率・補助額
    1. 経営革新
    2. 専門家活用
    3. 廃業・再チャレンジ
  3. 事業承継・引継ぎ補助金、いつから?
  4. 事業承継・引継ぎ補助金の目標
  5. 事業承継に向けた注意点

 中小企業庁によると、新型コロナの影響で休廃業企業数が増える一方で、事業承継を後回しにする経営者が増えています。

 こうしたなか、事業承継・引継ぎ補助金とは、休廃業などによる地域の技術や人材など経営資源の散逸を回避し、生産性の向上を図るために経営資源の集約化や事業引き継ぎを後押しするための補助金です。

 具体的には、事業承継・引継ぎ後の設備投資や販路開拓等の新たな取組を支援するとともに、事業引継ぎ時の専門家活用費用などを支援します。

 2022年度当初予算案に盛り込まれた事業承継・引継ぎ補助金には、3つの支援の枠組みがあります。

  1. 経営革新(事業承継・引継ぎを契機とする新たな取り組みへの補助)
  2. 専門家活用(経営資源引継ぎ時の士業専門家の活用への補助)
  3. 廃業・再チャレンジ(事業引継ぎ時や事業承継・引継ぎ後の新たな取組に向けた廃業費用への補助)

 経営革新の枠組みは、事業承継・引継ぎ後の設備投資や販路開拓、事業戦略に関するコンサル費用などの費用を補助します。この枠組みのなかに、さらに「親族内承継」、「M&A」、「創業」の3つの類型が設けられる予定です。

 補助率は1/2で、補助額は300万円以内ですが、生産性向上に関する要件などを満たす場合、補助上限額を500万円まで引き上げます。

 事業引継ぎ時の専門家活用費用(仲介・フィナンシャルアドバイザー手数料、デューデリジェンス費用)についてセカンドオピニオン分だけでなく、M&Aリスクに備えるための「表明保証保険料」も補助します。

 ただし、フィナンシャルアドバイザー手数料は、中小M&A支援機関に係る登録制度に登録録している企業を利用した場合のみ対象となります。

 補助率は1/2、補助額は400万円以内ですがM&Aが未成約の場合は補助額が半減しますので注意が必要です。

 2020年度第3次補正予算と2021年度当初予算の補助金では、引き継ぎのときに廃業を伴う場合は200万円を上乗せするという形でしたが、2022年度分は「廃業・再チャレンジ」として一つの類型になりました。補助率は1/2で、補助額は150万円以内となります。

 ほかの枠組みとの併用ができるところがポイントになります。

 政府は、今回の2022年度(令和4年度)当初予算案について、2022年1月に開かれる国会に出し、2022年3月までに予算を成立させたい考えです。申請受付は予算成立後になります。

 事業承継・引継ぎ補助金の目標として、年間約550社の中小企業を支援することを目標に掲げています。

 事業承継に向けて、政府は様々な支援を打ち出していますが、期限があるので、早めに準備しましょう。

 たとえば、後継者が取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予する「法人版事業承継税制」の申請期限を1年延長し、2024年3月末までとなりました。

 「事業承継税制」は2018年1月から10年間の特例措置として、2023年3月末までに計画を都道府県に提出した場合に対象となっていましたが、この申請期限が延長されました。

 ただし、2027年12月末までの特例措置のため、申請を検討している場合は、早めの準備が必要になります。