目次

  1. 個人商店内にタオル専門店
  2. ボウリング場再生が自信に
  3. 失望の日々に震災が追い打ち
  4. 高品質タオルが突破口に
  5. 商品発掘のヒントは地域の勉強会
  6. オリジナル商品で販路を開拓
  7. 競合店の急増で競争が激化
  8. BtoB市場に活路を見いだす
  9. 個人商店ならではの強み

 「衣料のかみしん」は、十日町市の中心商店街から1キロ以上離れた地区にある、売り場面積70平方メートルほどの小さな個人商店です。樋熊さん夫妻と、2代目にあたる両親の計4人で切り盛りしています。

 学生服やファッション衣料、寝具などの繊維製品を扱う総合店ですが、2012年、店舗内店舗として「タオルのかみしん」をオープンしました。

 品数は約100種類を超え、メーカーとの直接取引の割合が多く、問屋が小ロット生産などの理由で扱わない商品も仕入れています。樋熊さんは「百貨店にも負けない品ぞろえです」と胸を張ります。こだわりのタオルを求めて、市外から訪れる客も珍しくありません。

 タオルに特化した商品展開を進めたのには、樋熊さんの危機意識がありました。

店内にはタオルがずらりと並んでいます

 樋熊さんは大学卒業後の1997年、家業ではなく東京都内の老舗ボウリング場「池袋ロサボウル」に就職しました。学生時代にアルバイトをしていたところ、ボウリング場の社長に事業再生メンバーとして起用されたことが、きっかけでした。

 「私が卒業する頃に、経営難を理由として運営会社が変わりました。やる気のありそうな若者に事業再生を手伝ってほしいとのことでした」

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