目次

  1. 炎上の「末路」を理解してもらう
  2. SNSガイドラインに規定を明記
  3. SNSポリシーの周知を
  4. ネットリテラシーの向上
  5. 「炎上疑似体験」の事例
  6. リアリティーを持たせた教育を

 ここまでのシリーズでは、ネット炎上に対する事前の体制整備についてお伝えしてきました。今回は従業員に対する教育について解説します。結論から申し上げれば、教育の肝は従業員にネット炎上を「自分事化」してもらえるかどうかにかかっています。

 昨今、従業員起点のネット炎上はなかなか無くなりません。「バイトテロ」と呼ばれる、不適切動画の発信によるネット炎上が代表例です。「バイトテロ」は企業の信用を大きく損ない、不買や店舗・事業所の閉鎖に追い込まれるケースもあります。

 特に衛生面の問題がある不適切動画などはより深刻で、「教育がなっていない」と、企業の体制を批判されることだってあります。しかしそのような批判の的になるのは、企業だけではなくその当事者もしかりです。最悪の場合は当事者の個人情報が「特定」され、ネット上にさらされることになります。

 これはデジタルタトゥー(個人に関する不利な情報がネット上に刻まれ、消去できないこと)となって残り続けます。「このぐらいなら」「どうせ見る人も少ないし」という浅い考えのもと、その場のノリでやってしまったことの代償は思った以上に大きいようです。

 ネットリスクを軽んじれば、従業員はおろか、企業経営に影響を与えかねません。悲劇を防ぐには従業員教育が必要なのです。

 ただ、重要なのは「こういうことはやってはいけない」という禁止事項だけでなく、炎上してしまうと当事者やその企業がどうなるのか、という末路を理解してもらう「自分事化」になります。では、中小企業の経営者はどうやって従業員への意識啓発を図ればいいのでしょうか。次章から具体的に解説します。

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