オンライン接客とは 事例やメリット・デメリットから見た成功の秘訣
オンライン接客とは、インターネットを使ったビデオ通話による接客やサービスです。顧客に利用してもらいやすくなる、新規顧客の開拓幅が拡がるなどの利点から、コロナ禍で新たな収益化に迫られた企業を中心に導入が進んでいます。本記事でメリット・デメリット、結果を出すコツを詳しくご紹介します。
オンライン接客とは、インターネットを使ったビデオ通話による接客やサービスです。顧客に利用してもらいやすくなる、新規顧客の開拓幅が拡がるなどの利点から、コロナ禍で新たな収益化に迫られた企業を中心に導入が進んでいます。本記事でメリット・デメリット、結果を出すコツを詳しくご紹介します。
目次
オンライン接客とは、オンライン上で顧客と直接対応を行い、商品の説明や販売、サービスの提供を行う方法です。企業は多くの顧客との接点を作ることが可能となり、効率の良い販売方法として注目されています。
接客は「接客そのものを目的とする」場合と「サービス提供を目的とする」場合に分かれます。
前者は、アパレルメーカーなどでコーディネーターがビデオ通話を使いながら、顧客の要望に応じて、商品に関するサイズや素材の質感、コーディネート方法などを行うケースです。
後者は、自宅で気軽にビデオ通話上でフィットネスサービスや料理教室、英会話を受けるなどのサービスを受けられるというケースです。
オンライン接客は単に、接客自体をオンライン化するという手段にとどまらず、自社が持つ独自の価値を有償、無償に関わらずサービス化し、顧客に新たな価値を見出すビジネスモデルとして将来性が期待されます。
では、実際にどんな企業がどのようなオンライン接客を行っているでしょうか。筆者が知る企業での具体的な事例を紹介します。
英会話スクールの入会前に、顧客に対してオンラインコンサルティングを行う事例です。
習い事では、自分がどの程度修得できるのか、いつまでに修得できるのか、先生との相性が合うか、想定している費用との相違がないかなど、入会に際して様々な不安が付きまといます。
そこで、こちらの英会話スクールでは、オンライン上で顧客個々が抱く不安の解消と、具体的な英会話習得のイメージをプレ体験することで、入会前後のギャップやアンマッチを可能な限り解消し、顧客との合意形成を得るようにしています。
オンラインによる顧客の心理的ハードルを下げることで、結果として入会数のアップ、その後の継続率の向上も実現しています。
オンラインコンサルティングは、Webで予約するだけでスマホやPCで気軽に実施できるため、企業にとっても見込み顧客との接点を増やすことが可能です。
なお、オンラインコンサルティングでは、日程調整が重要なポイントになります。日程調整についてはITツールを利用するのが便利です。下記記事でおすすめの日程調整ツールを紹介しているのでご参考ください。
フィットネスのオンラインサービスのケースです。
コロナ禍で運動不足や体重増に悩むものの、本格的にフィットネスジムに通うにはハードルが高い……そのような顧客に、自宅に居ながら気軽にトレーニングを受けられるため注目されています。
リアルタイムでトレーナーとやり取りでき、顧客に対して臨場感という新しい価値を提供しているのが特徴です。
複数人参加ができるようにもしていて、ダイエットにありがちな、一人では続けられない点も補われています。
コロナをきっかけに注目を集めているオンライン接客ですが、直接対面せずに済む以外にもさまざまなメリットがあります。主なものは、以下の3つです。
オンライン接客であれば、遠隔で接客やサービスを提供できるので、顧客に対して移動の手間をかけさせることがなくなります。
また、自分から店舗スタッフに声をかけることが苦手な顧客にとっても、オンライン接客なら予め接客ができる環境が整っていて、サイズや好みなどのやり取りを躊躇う必要がありません。
店舗スタッフとのコミュニケーションハードルが下がるのも、オンラインならではの効用と言えるでしょう。
実店舗で発生するような接客の順番待ちが無く、希望するタイミングに接客を受けられるため、顧客にとって時間の無駄がなくなります。
企業にとっても接客できないという機会ロスの低減が期待できます。
実店舗が近くにない顧客にとっては、WebサイトやECサイトの情報だけでは購入や加入を決め切れないケースが多いでしょう。
オンライン接客があることによって、これまでとは異なる遠方にいる顧客の創出が期待できます。
一方で、オンライン接客には、以下の3つのデメリットがあります。
オンライン接客のデメリットのひとつとして、実店舗の接客と比べると、顧客の反応や会話を引きだすなどが難しい点が挙げられるでしょう。
オンライン上での初対面でのやり取りは、進行する専門スタッフのコミュニケーション力に左右されることがあります。
オンライン接客は、Webのリテラシーの低い顧客にとっては敬遠されがちです。
企業の重点顧客が、比較的Webリテラシーの低い顧客層が多い場合、顧客にとっては利便性を感じず、むしろ良く分からないものがあるという印象を受けるかもしれません。
オンライン接客においては、通信環境が整っていないと音声や画像などに不具合が生じることで、スムーズに行えないというリスクがあります。
実際に目で確かめることが必要な接客の場合、通信環境を整えるための準備や費用が掛かることがデメリットになるかもしれません。
上記のメリット・デメリットを踏まえ、企業にとってオンライン接客で顧客獲得や売上向上という結果を出すために、重要な3つの観点をご説明します。
インフラを整備することでスムーズな導入が実現できることは言うまでもありません。
オンライン接客においては、それに特化したITツール(オンライン接客ツール{Web接客ツール})を導入すれば、予約管理やアンケート、顧客管理など目的に応じて実用度が広がります。
たとえば、ツールには予約管理機能が搭載されているのが一般的なため、顧客との事前の接客予約や担当者間のスケジュールを確認して誰が担当するかが一目で分かり、関係者で共有して顧客対応するといったことができます。
アンケート機能がついているものも多いので、接客後の満足度や理解度、購入された理由や他に聞きたかったこと、ご要望を可視化でき、サービス改善や新たな商品開発時に役立ちます。
なお、下記ではおすすめのオンライン接客ツール(Web接客ツール)をご紹介しています。選び方も解説しているので、よければあわせてご参考ください。
オンライン接客のための専門チームを、少人数でも良いので作ることをおすすめします。
チーム単位で動くことで、活動を通して得た経験や知識がそのまま企業のナレッジになり、目標や目的に対する改善サイクルが形成できるようになります。
構成員には、サービスに関する技術的な知識を有していることはもちろんのこと、接客力に長けた人材も入れるのが望ましいでしょう。
接客力に長けた人材というのは、顧客の悩みや直接的に言葉に発しないようなことを汲み取る顧客の声を引きだす傾聴力と、顧客が話しやすい雰囲気を作ることができる共感力を持っている人のことを言います。
こうした人材を引き入れるのが望ましいのは、オンライン接客においては、一方的に話をするのではなく、いかに顧客から会話を引きだし、それに応える提案力があるかということが、店舗以上に求められるためです。
単に「ご相談ください」ということではなく、相談内容や提供内容を具体化すると顧客も相談しやすくなるでしょう。
例えば「日頃の食生活をお伺いすれば、どの程度、体重減量できるかをお教えします」といった具合です。
相談内容や提供内容を具体化するときは、顧客の声を集約して、サービスに求められているニーズを精査するのが効率的です。
オンライン接客を導入すると、どういう属性の方が利用しやすいかということがより見えてくるため、その際にターゲットを絞り込んだり分類化したりすると、顧客にとって親和性が生まれて、相談への心理ハードルが下がることに繋がります。
オンライン接客を実施する価値は、おもに2つあります。
それは、オンライン接客であれば、ツールを使う場合に限りますが、接客シーンを録画できます。
顧客とのやり取りを正確に振り返ることができれば、顧客のニーズ細分化と可視化も可能となります。その中で、新たなサービスや商品のアイデアも浮かぶかもしれません。
貴重な顧客のニーズを汲み取る仕組みとして、今後ますます活用の幅が拡がるのではないでしょうか。
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