目次

  1. ウクライナ支援の窓口、どこが良い?
    1. 国連UNHCR協会
    2. 日本ユニセフ協会
    3. 特定非営利活動法人 ADRA Japan
    4. 認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
    5. AAR Japan(難民を助ける会)
  2. 寄付時に個人と法人で異なる税制優遇
    1. 個人の寄付は所得控除か税額控除を選択
    2. 法人が支出した寄附金は損金算入

 まず、ウクライナの人々を支援するための寄付を募っている団体の一例を紹介します。寄付先を決めるには、これまでの活動実績や支援方針を確認してください。このほかにも寄付を募っている様々な団体があります。

 国連UNHCR協会は、国連の難民支援機関である UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口です。

 今回の危機について、「ウクライナや近隣諸国の当局、その他のパートナー団体と協力して支援を拡大し、極寒の東欧で避難を強いられる人々が必要とする支援を届けていきます」として、国連UNHCR協会の公式サイトで寄付を募っています。

 UNHCRの支援を受けながら避難所を提供しているのは、ポーランド、ハンガリー、モルドバ、ルーマニア、スロバキアといった近隣諸国です。

キエフ市内の地下鉄構内に避難するウクライナ市民(UNHCR提供)

 ユニセフは世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動する国連機関です。日本ユニセフ協会は、先進国を中心に33の国と地域に設置されているユニセフ協会(国内委員会)の一つです。

 ウクライナの子どもたちやその家族を支援するために6640万米ドル(約70億円)の支援を要請。日本ユニセフ協会は、2022年2月25日から緊急募金の受付を開始しました。

 日本ユニセフ協会の公式サイトで寄付を募っています。

 ADRAは、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOです。
ADRA Japanは、日本支部として途上国や災害被災地で、人種・宗教・政治の区別なく、自然災害や紛争の被災者、医療を必要としている人々、教育を受けられない女性や子どもたちなどに寄り添い、自立を助ける支援や緊急支援を届けています。

 ADRA Japanは、Yahoo!のネット募金のページで寄付を募っています。

 認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパンは、日本に本部を置き、国内外で自然災害、あるいは紛争や貧困など人為的な要因による人道危機や生活の危機にさらされた人々を支援する国際協力NGOです。隣国ポーランドにスタッフを派遣し調査を開始するといいます。

 ピースウィンズ ・ジャパンは、Yahoo!のネット募金のページで寄付を募っています。

 AAR Japan は、1979年に創設以来、世界65以上の国と地域で、紛争や貧困、自然災害などに苦しむ人々に支援を届けた団体です。ウクライナ難民への緊急支援のために、東欧地域を中心に情報収集を進めており、現地協力団体と連携するなどの形で人道支援活動を開始するといいます。

 AAR Japanの公式サイトで寄付を募っています。

 こうした団体に寄付をし、その後に確定申告すると、税制上の優遇を受けることができます。ただし、2022年3月15日を期限としている確定申告は2021年分です。2022年分の確定申告の期限は2023年3月となります。

 税制優遇は、個人と法人では仕組みが異なります。

所得税 法人税
国又は地方公共団体に対する寄附金 特定寄附金として、一定の金額を所得控除(公益社団法人等、認定NPO法人等又は政党等に対する寄附金で一定のものについては、税額控除を選ぶことができる) 支出額の全額を損金算入
指定寄附金
特定公益増進法人に対する寄附金 一般の寄附金とは別枠で寄附金の額の合計額と特別損金算入限度額とのいずれか少ない金額の範囲内で損金算入
特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
認定NPO法人等に対する寄附金
政治活動に関する寄附金 損金算入限度額の範囲内で損金算入
一般の寄附金(上記以外) 所得控除されない

※表は国税庁の公式サイトをもとに編集部作成

 個人が支出した認定NPO法人や公益社団法人などに対する寄附金は、次の2つのうち、有利な方を選ぶことができます。

  1. 寄附金控除(所得控除)
  2. 寄附金特別控除(税額控除)

 税額控除を選んだ方が有利になる場合が多いです。しかし、所得税率の高い人は所得控除を選んだ方が、還付額が大きくなることがあります。詳しくは、国税庁の公式サイトや近くの税務署で確認してください。

寄附金控除(所得控除)

 寄付金の合計額から2000円を引いた額が所得金額から控除されます。その分税額が低くなります。控除の対象となる寄付金の合計額は、総所得金額の40%が上限です。

寄附金特別控除(税額控除)

 寄付金の合計額から2000円を引いた額の40%が、直接、税額から控除されます。控除対象となる寄付金合計額は、総所得金額の40%が上限です。また、特別控除額の合計額はその年分の所得税額の25%相当額が限度です。

 国税庁の公式サイトによると、法人が特定公益増進法人などへの寄付する場合、一般寄付金の損金算入限度額とは別枠で「特別損金算入限度額」が設けられています。

 特定公益増進法人とは、公共法人などのうち、教育、科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものと認められた法人です。今回のウクライナ支援でも、日本ユニセフ協会などが特定公益増進法人に認められています。

 決算月に合わせて年間領収証が必要な場合は寄付先の団体に相談してください。

一般寄付金の損金算入限度

(資本金等×0.25%+所得金額×2.5%)×1/4

特別損金算入限度額

(資本金×0.375%+所得金額×6.25%)×1/2