目次

  1. ねこずかん、なぜヒットした?
    1. プレスリリース配信後3日間で5000本を受注
    2. 中小企業だからこそ実現できる 大胆な商品やサービス
  2. 事例から学ぶ 中小企業の企画のヒント
    1. 社会貢献によって多くの共感を得る「ネコリパブリック」
    2. 自社の魅力を親しみやすく伝えた女性下着ブランド「ヘブンジャパン」
  3. プレスリリースとソーシャルメディアの活用
    1. プレスリリースは内容で勝負 メディアへの押し売りはNG
    2. 自社の商品に合ったソーシャルメディアを活用
  4. 相手の視点に立ちメディアや生活者との関係を築く

 「ねこずかん」はなぜヒットしたのでしょうか。それをひも解くため、岡田商会の歴史を少し振り返ります。

黄金色の素材「柘植」を使用したタイプの「ねこずかん」(岡田商会提供)

 1980年から印鑑の町工場を営んできた岡田商会は、長く卸売業を専門にしていました。2000年からエンドユーザーへのネット販売を開始しましたが、売り上げは芳しくありませんでした。価格競争に苦しみ、2015年には大きな赤字に転落。企業の存続さえも、危ぶまれる状況にありました。

 「何かを変えなければ危うい」と考えた岡山さんは、猫のイラスト入り印鑑「ねこずかん」を考案し、2015年末に販売を開始。2016年1月にプレスリリースを配信したところ、テレビや新聞などを含む30以上のメディアで紹介されました。

 プレスリリース配信以前にはたった4本しか売れなかった「ねこずかん」は、配信後3日間で5000本を売り上げ、岡山さんはメディアの影響力に驚かされたと言います。

 「ねこずかん」は、なぜメディアからの注目を集めたのでしょう。岡山さんによると、プレスリリースの配信と自社公式ツイッターでの情報発信以外に、特別なことはしなかったと言います。

岡山耕二郎さん(岡田商会提供)

 「猫のイラスト入りの可愛いビジュアルと、銀行印としても使える実用性のギャップが魅力となり、こちらからお願いせずともメディアからの取材依頼が次々に入りました」と岡山さんは当時を振り返ります。

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