スキャンツールとは 国交省が2023年度の補助金の公募開始へ
自動車の電子機器が正常に作動しているかを診断できる整備事業者向けの外部故障診断装置「スキャンツール」について、購入費用の一部を国土交通省が補助します。2023年度は2種類の補助金があり、それぞれ9月と10月から公募を開始します。補助の上限は1事業所あたり15万円。補助対象や申請方法を整理しました。
自動車の電子機器が正常に作動しているかを診断できる整備事業者向けの外部故障診断装置「スキャンツール」について、購入費用の一部を国土交通省が補助します。2023年度は2種類の補助金があり、それぞれ9月と10月から公募を開始します。補助の上限は1事業所あたり15万円。補助対象や申請方法を整理しました。
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スキャンツール(外部故障診断装置)とは、エアバッグや衝突被害軽減ブレーキなどの装備を監視するために自動車に搭載されたOBD(車載式故障診断装置)に接続し、車が安全に走行できる状態か確認する機器のことです。シンプルなものは10万円以下ですが、多機能で数十万円するものもあります。
2021年10月から、自動車の12ヵ月ごとの定期点検項目にOBDの点検が追加されたため、点検に使うスキャンツールの需要も高まりました。スキャンツールの活用は、電気自動車(EV)などの省エネ性能維持にも役立つため、国が普及を目指しています。
国土交通省は、自動車整備技術の高度化を図り、次世代自動車の省エネ性能維持や事故防止を推進するため、自動車整備事業者等に対して、スキャンツールの導入を支援します。
2023年度は2022年度から予算が大幅増額され、「ビッグデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業」と、「先進安全自動車の整備環境の確保事業費補助金」の2種類があります。
ビッグデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業は、様々な車種・メーカーの故障に係る膨大なビッグデータ構築を目的としています。
自動車整備事業者などに対してクラウド型スキャンツールの購入を補助し、データを収集することにより、燃費悪化につながる部品等の劣化・故障などの内容を車種・メーカーごとにデータベース化することを目指します。
さらに、走行距離や車齢等のデータと併せることで、経年劣化による燃費悪化の防止や、突然の故障を未然に防ぐ予防整備につなげ、もって使用過程にある自動車や今後開発される自動車の省エネ性能の向上につなげることを目的としています。
電子制御装置の認証を受けている整備事業場が対象です。ただし、2022年度に同事業の補助を受けた事業者は対象外です。
公募期間は、9月19日(火)10:00~10月2日(月)17:00です。一定の要件を満たすスキャンツールを新たに購入する場合の経費の一部を補助します。補助率は1/3以内、1事業場あたりの補助上限額は15万円です。ただし、交付決定前に購入した機器は補助の対象外となります。
詳細は、補助事務執行団体「パシフィックコンサルタンツ」の特設サイトへ。
先進安全自動車の整備環境の確保事業費補助金は、クラウド型スキャンツールの導入に必要な経費(設備費)の一部を補助することにより、自動車整備事業者の整備環境を確保し、先進安全自動車の性能を維持する事業です。
電子制御装置の認証を申請する整備事業場が対象で、電子制御装置の追加の変更申請も含みます。ただし、2022年度に左欄の事業の補助を受けた者を除きます。
公募期間は、10月2日(月)10:00~13日(金)17:00です。一定の要件を満たすスキャンツールを新たに購入する場合の経費の一部を補助します。補助率は1/3以内、1事業場あたりの補助上限額は15万円です。ただし、交付決定前に購入した機器は補助の対象外となります。
詳細は、公益財団法人日本自動車輸送技術協会の特設サイトへ。
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