目次

  1. 家業が「家庭の味」だった
  2. 社長の「先見の明」がありすぎて
  3. 「玄米甘酒」の試飲販売で成長
  4. 「一本の箸になろう」と決意
  5. 逆風で開いたチーズケーキ専門店
  6. 伝統食材を使ったブランド
  7. 「動機善なりや」を問いかけて
  8. 地元を「発酵」のまちに

 金沢市街から車で15分。港町・大野地区に入ると「ヤマト醤油」と書かれた白い煙突が目に入ります。

ヤマト醬油味噌は白い煙突が目を引きます

 同地区は白山山系の豊かな伏流水と北前船が運んだ麦や大豆、能登の塩などを使ったしょうゆ醸造が盛んで、かつては60軒以上の醸造業者があったといいます。2020年5月現在、10軒の業者が残ります。

 ヤマト醤油味噌の創業は1911(明治44)年になります。初代は船乗りで金沢と北海道を行き来し、2代目がしょうゆ、3代目でみその醸造を始めました。

ヤマト醬油味噌代表取締役の山本晴一さん(右)と工場長の晋平さん(同社提供)

 その後、現代表取締役の晴一さんと、その弟で工場長を務める晋平さんの「4代目ブラザーズ」が家業を大きく成長させました。現在は従業員数48人、しょうゆ、みそ製品を中心に、扱う商品アイテムは200以上にのぼります。

 「一汁一菜に一糀」というライフスタイルを推奨し、現代人の生活に合っためんつゆやドレッシングなどの調味料、玄米甘酒の開発を進めました。

ヤマト醬油味噌の玄米甘酒(同社提供)

 敷地内には体験型の製造直売所「ヤマト・糀パーク」を構えました。食育のための体験学習施設となるキッチンスタジオや、こうじを生かしたランチを提供する会員制の「発酵食美人食堂」など運営し、ファンづくりに努めています。

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