目次

  1. 学生時代はゴルフ漬け
  2. 家業の苦境に固めた決意
  3. OEMから自社製造へ
  4. 「昇華プリント」技術を生かして
  5. 飛び込みからネット営業へ
  6. ブランドストーリーを前面に
  7. スポーツ展示会の輪を広げる
  8. 売り上げ20億円も見据えて

 スクアドラはイタリア語で「チーム」を意味します。2012年にブランドを立ち上げて10年。JFLの奈良クラブ、Bリーグのバンビシャス奈良のほか、北海道、広島、大分などのチームにもユニホームを提供するようになりました。

スクアドラはJリーグ入りを目指す奈良クラブにユニホーム(写真左)を提供しています(2022年8月、朝日新聞社撮影)

 アクラムの前身は、勝谷さんの祖父・慶次郎氏が1942年に創業した丸加産業です。県内でも有数の繊維会社として高度成長期に売り上げを伸ばしました。父・宗久さんが社長を引き継ぎ、1993年に現在のアクラムに社名変更しました。

 勝谷さんは父が同社の東京営業所に勤務していた時に生まれ、小学校2年生で奈良に戻りました。「社会科見学の行き先がうちの工場で、子ども心に気恥ずかしいと感じていました(笑)」 

 高校で始めたゴルフに夢中になり、関西学院大学でも競技に没頭。卒業後の就職先もゴルフメーカーでした。「父が繊維業を経営している認識はありましたが、自分が継ぐとは全く考えていませんでした」

 ゴルフメーカーで製品販売の集計システムや棚卸しなどの経営管理に携わるようになると、企業の「数字」に興味を覚えます。1年後には会計事務所に転職しました。

 「決算書を見ればその会社のありようがわかるようになっていました。取引先に魅力的な経営者がたくさんいて、会社の理念などを伺うこともありました。みなさんがおっしゃるのは、『経営は面白いよ』という言葉でした」

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