目次

  1. 鮮魚店を一人で切り盛り
  2. コストカットが奏功
  3. 催事と「吉祥寺揚げ」に活路
  4. 事業承継に踏み切ったきっかけ
  5. コロナ禍で仕掛けた記念イベント
  6. 進化を続けて目指す創業100年

 吉祥寺駅前の商店街で、ひっきりなしにお客さんが訪れるお店が「塚田水産」です。店頭には定番商品が約40点、季節限定商品と合わせて50種類以上の練り物やさつま揚げが並びます。年末のかきいれ時には1日1万個売れることもあるそうです。

 人気商品は塚田さんが開発した「吉祥寺揚げ」です。チーズやエビ、イカ、ホタテなどの具材を入れたさつま揚げにパン粉をつけて揚げたオリジナルメニューで、食べ歩きも向いており、吉祥寺名物の一つになっています。

塚田水産の店舗は吉祥寺駅前の商店街にあります

 塚田水産は1945年、塚田さんの祖父浩三さんが創業し、吉祥寺を代表する老舗の一つになりました。

 塚田さんは当時、工場と店舗があった東京都府中市で生まれ育ち、よく仕事場に遊びに行ったそうです。「物心ついたころ、父がいた府中のお店に行ったのをよく覚えています。パートの皆さんもかまってくれ、揚げたても食べて楽しい場所でした」

 家業を初めて意識したのは小学生4、5年生のとき。授業で両親の仕事を発表したときに、友達に言われてサラリーマン家庭じゃないと気づいたそうです。

 ただ、両親からは家業を継ぐことについて何か言われたことはありません。高校卒業後、しばらくはフリーターとしてカラオケ店やパチンコ店、スーパーなどを転々としました。

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