目次

  1. 「本業以外でもうけようと思うな」
  2. コンピューターにのめり込む
  3. デジタル化の旗振り役に
  4. 最新機器で広がったモナカの幅
  5. ECサイト「たねらく」を立ち上げ
  6. 根気よく続けて右肩上がりに
  7. 休暇を取りやすい風土を
  8. モナカを「のせる器」に
  9. 社員教育に一層力を

 加賀種食品工業は1877年、東京・神田で菓子種の製造販売などを営む個人商店として創業したといわれています。やがて富山県出身の2代目は北陸に戻り、金沢市に根を下ろしました。

 「菓子種」はあまり聞きなれない言葉ですが、和菓子の世界でもち米で作った菓子材料のことを「種もの」といいます。そして、加賀地方で作った菓子種を「加賀種」と呼びます。

多彩なモナカ種を製造しています

 日根野さんの祖父にあたる4代目の時代に業界で全国トップクラスに成長。金沢、京都などの有名菓子店や菓子メーカーが使用するモナカの種の多くを供給しています。

 2021年の売上高は12億円で従業員数は約200人。モナカ、ふやき、せんべいなどで、1万点近い商品数と3500社超の取引先を抱えています。

 日根野さんは「本業以外でもうけようと思うな」という祖父の言葉を、今も心に刻んでいます。

 幼少期は現在の本社裏に自宅があり、工場などが遊び場でした。家業のことは漠然と頭の隅にありました。

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