目次

  1. MiddleField、強みは車のパーツのデータベースだった
  2. 資金調達10億円 その後に民事再生へ
  3. MiddleField 聞いて見えてきた2つの失敗要因
    1. 一つの事業に集中できなかった
    2. 社内で溝ができていた
  4. 「一番大事にしたいものは何?」問われて
  5. 原点に立ち返り「モータースポーツつくりたい」

 MiddleFieldの元CEO中山さんと初めて会ったのは2018年12月、スタートアップのピッチの場でした。起業から2年ほどが経過し、当時はまだDXブームが来る前。自動車のパーツの販売などアフターマーケットのデジタル化に取り組む事業内容を発表していました。

 何十万点もあるカーパーツのなかから希望するパーツの在庫がある店舗を探し、自分の車に取り付けられる工場を見つけるのも一苦労。中山さんは、インターネットで気に入った車のパーツを買ったものの自分の車には適合せず、取り付けられなかったという声をよく聞いていたといいます。

 そんな自動車ユーザーの課題を解決するため、車のパーツの購入から取り付けまでをトータルサポートするECサイト「モタガレ」(サイトは事業譲渡)などを立ち上げていました。強みは、各パーツに適合する車種・取り付けに関するデータベースをすでに構築していたところでした。

MiddleFieldで運営していたECサイト「モタガレ」、チャンネル登録数20万人超えYoutube「Motorz」(中山さん提供)

 「若者の車離れ」が指摘されるなかでも自動車アフターマーケットの市場規模は約20兆円。前職は国内モータースポーツ業界で、コミュニティーづくりの大切さも感じていた中山さん。

 「将来はみんながワクワクするモータースポーツをつくりたい」という熱意を語り、着実に事業を伸ばせるポテンシャルを感じさせるプレゼンだった印象がありました。

 その後、中山さんは資金調達などに成功し、累計10億円を集めます。その後、順調に事業を伸ばしていると思っていましたが、2022年9月、中山さんがnoteに「スタートアップに大失敗した起業家がweb3に挑む話」という記事を投稿しているのに気づきました。

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