2023年ものづくり補助金、最低賃金引き上げで上限1000万円上乗せ
ものづくり補助金とは、革新的製品・サービスの開発や、生産プロセスなどの改善に必要な設備投資を支援する補助金です。経済産業省は2023年1月11日から公募を開始しました。事業終了後3~5年に事業場内最低賃金を年45円以上引き上げるなどすれば、一部の枠を除き、補助上限を最大1000万円引き上げられます。
ものづくり補助金とは、革新的製品・サービスの開発や、生産プロセスなどの改善に必要な設備投資を支援する補助金です。経済産業省は2023年1月11日から公募を開始しました。事業終了後3~5年に事業場内最低賃金を年45円以上引き上げるなどすれば、一部の枠を除き、補助上限を最大1000万円引き上げられます。
目次
ものづくり補助金は生産性の向上に役立つ補助金で、中小企業庁が2023年1月に公開した資料「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」(PDF方式)によると、2023年は次の5類型があります。
回復型賃上げ・雇用拡大枠以外は、補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、上記枠の補助上限を100万~1000万円上乗せします。
ただし、各申請枠の補助金額の上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合は、活用できません。また、賃上げなどの要件が満たさなかった場合は、上乗せ分の全額返還が求められるので注意しましょう。
ものづくり補助金は2022年度補正予算案にも盛り込まれました。ほかの補助金も含め、生産性革命推進事業の予算規模は2000億円。2024年度までの分を国庫債務負担行為で担保しており、その分を含めると総額4000億円に上ります。
締め切りが複数回あるため、自社にとって使いやすいタイミングで申請することができます。
類型 | 補助上限 | 補助率 |
---|---|---|
通常枠 | 750万円~1250万円 | 1/2、2/3(小規模・再⽣事業者) |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 | 2/3 | |
デジタル枠 | ||
グリーン枠 | エントリー(750万~1250万円)、スタンダード(1000万~ 2000万円)、アドバンス 2000万~4000万円) |
|
グローバル市場開拓枠 | 3000万円 | 1/2、2/3(小規模・再⽣事業者) |
2023年からの見直し・拡充されたポイントを中心に紹介します。
新製品・新サービス開発・⽣産プロセスの改善に必要な設備投資及び試作開発を支援する類型です。補助上限は、750万円~1250万円。補助率は1/2ですが、小規模・再⽣事業者なら2/3となります。活用例としては次のようなものが考えられます。
業況が厳しい事業者(前年度の事業年度の課税所得がゼロ)が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービス開発または⽣産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する類型です。
補助上限は750万円~1250万円で、補助率は2/3です。
DXに資する革新的な製品・サービス開発または⽣産プロセス・サービス提供方法の改善による⽣産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する類型です。
補助上限は750万円~1250万円で、補助率は2/3です。次のような活用例が考えられます。
2023年は、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発や炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善などを行う事業者を対象に、温室効果ガス排出削減の取組段階に応じた3段階の支援類型を創設しました。高度な取り組みを実施している場合、補助上限額を最大4000万円に拡充しました。
補助率はいずれも2/3で、補助上限は次の通りです。
次のような活用例が考えられます。
取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者には審査の際に加点されます。
海外事業の拡大などを目的とした設備投資等を支援。海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、海外展開に係るブランディング・プロモーションなどの経費もあらたに支援します。
補助上限は3000万円で、補助率は1/2、小規模・再⽣事業者の場合は2/3です。次のような活用例が考えられます。
業種・業態に共通する生産性向上に係る課題を解決するため、認定を受けた設備・システムについて重点的に支援を行う類型を創設します。2023年1月時点では、まず業種・業態に共通する課題を認定し、課題解決のための研究開発を促します。認定を受けた設備等への導入支援は、今後実施する予定です。
以下の要件を満たす事業計画(3~5年)を作って実施する中小企業などであれば応募できます。
2022年度補正予算分をもとにした、2023年のものづくり補助金は、2023年1月11日から公募を開始しました。3月24日17時から申請開始、4月19日17時に締め切られます。
その後も、2024年度まで切れ目なく公募を実施する予定です。
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