価格弾力性は自社の利益につながる重要な値

 昨今は、エネルギー価格高騰などで仕入価格や原材料価格が上がっても、売価に転嫁しにくく、企業の利益圧迫に繋がっている実態が見受けられます。中小企業診断士の武井綾子さんは、「このような状況だからこそ、価格弾力性という着眼点を持ち、適切な価格設定につなげることが重要」と指摘します。詳細は、「価格弾力性とは 求め方や価格設定への生かし方を簡単に解説」で読むことができます。

思い切った価格設定で「ラムドラ」をヒットさせた梅月堂

梅月堂4代目社長の石原良さん(梅月堂提供)

 和菓子店「梅月堂」4代目の石原良(りょう)さんは、看板商品「湯之元せんべい」の味を守りつつ、根強い人気のあったどら焼きからヒット商品「ラムドラ」を生み出しました。9年半で取扱店数を5倍以上に、売上を2.4倍に伸ばしています。

自社の強みを見つめて運賃を値上げした需光

運送会社「需光」の2代目・村田道秀さん

 大阪の運送会社「需光」の2代目・村田道秀さんは、自社の強みを見つめ直して運賃の値上げに踏み切りました。新たな収入源の模索などさまざまな取り組みも行い、業績を大幅に伸ばしています。

データをもとに価格交渉に臨んだ大光紙工

大光紙工3代目社長の江崎高志(えざき・たかし)さん 大光紙工は1967年設立。段ボール紙器製造と梱包資材を手がけるなかで、主力事業は片面段ボール合紙。美粧印刷・表面加工した板紙に、片面段ボールを貼り合わせて、デザイン性を持たせた美粧箱を製造する工程を担っている。(写真はいずれも大光紙工提供)

 段ボールをベースにしてデザイン性を持たせた美粧箱などの製造工程を担う「大光紙工」(大阪府)は、江崎高志さんが3代目の新社長になったのを機に、取引先との値上げ交渉を始めました。取引先の理解を得る交渉の過程を追いました。

1本1万円の羊羹作りに挑んだ風月堂

「御菓子司 風月堂」3代目の藤田浩一さん

 茨城の和菓子店「御菓子司 風月堂」3代目の藤田浩一さんは、安い価格で和菓子を作り続けることに限界を感じ、高くても魅力ある商品開発に力をいれました。地元産の希少な栗を使った1本1万円の栗蒸し羊羹(ようかん)が予想を超えて反響を呼ぶなど、「金額が高い=売れない」というそれまでの概念を覆しています。