目次

  1. 「誰がこんな死に方をさせたんだ」
  2. 「カラまわり経営」に陥らないために
  3. 経営計画、まず経費の可視化から
  4. 金融機関には確度の高い計画を提示
  5. コロナ禍でもバクチ的に事業を始めない 

 狩野さんの父は焼肉屋を経営していましたが、2001年に起きた狂牛病(BSE)問題によって経営難が続き、破産。父は狩野さんが23歳の時に自宅で自ら命を絶ってしまいました。

 「悲しさよりも、誰がこんな死に方をさせたんだという怒りや悔しさが気持ちを占めていました」と、狩野さんは語ります。

 破産の直接的な原因は狂牛病による売上の低下でしたが、常態的に利益や経費をあまり意識できておらず、顧問税理士も経営状況に関するアドバイスをしていなかったことが経営に悪影響を与えていました。

 狩野さんは、父の死を無駄にしたくない、父のような中小企業経営者を救う人材になると決意。大学院を卒業して、税理士事務所に就職した後、財務コンサルタントとして独立しました。

 「頑張っているのに経営がうまくいっていない会社に共通した特徴として、会社の数字について分析していないことがあります」と、狩野さんは指摘します。

 多くの経営者は、経営状況を改善するために熱心に努力していますが、目の前の売上を増やすことに焦点を当てすぎて、無理な値下げを行ってしまうことがしばしばあります。この結果、利益が出なくなり、さらに売上を増やす必要が生じ、値引きのスパイラルにはまってしまうことも多くあります。

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