目次

  1. 東京の森に響いた太鼓の調べ
  2. 間伐材で「森をつくる太鼓」
  3. 不ぞろいな木目をデザインに
  4. サステイナブルで価格転嫁も抑制
  5. 不良在庫を生かした椅子
  6. 太鼓文化の裾野を広げる試み
  7. ことづくりの重要性を海外で痛感
  8. 年功序列と分業制を見直す
  9. 風通しのいい現場が採用に

 木々がうっそうと生い茂る、東京都檜原村に太鼓の調べが響き渡る――。

 「ドンと鳴らせば渦を巻くように共鳴しました。木々に囲まれたこの空間はいってみれば天然のコンサート会場。そのやまびこを全身に浴びたとき、これは是が非でもみなに聞かせたいと思った」

 「森をつくる太鼓」を完成させた宮本さんは原材料となった杉が採れた檜原村で2022年5月、「はじまりの森」と名づけたコンサートを開催しました。

「はじまりの森」のイベント風景。100人近い参加者がありました

 プロ奏者による演奏のほか、さまざまなワークショップが行われたそのイベントには100人近い参加者がありました。「ひとつの命が終わって、太鼓となって生まれ変わる。五感でそれが感じられる試みです。今後も年に1回は開催していきたいと思っています」

 宮本卯之助商店は大正天皇御大喪用楽器の一式を謹製して以来、宮内庁御用を賜っています。1964年の東京オリンピックの開会式を飾った太鼓や、浅草神社の宮神輿も手がけてきました。取り扱いアイテムは和太鼓から神輿、雅楽器、祭り用品まで――まさに日本を代表する工房で、56人の従業員(アルバイトを含む)を抱えています。

 「父卯之助の後を継いで10年。これまではなんとかやってきましたが、コロナ禍で売り上げは半減しました」

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