中古車販売価格の規約改正、2023年10月から支払総額を表示へ
中古車の販売価格の表示が2023年10月1日から車両価格に諸費用も含めた「支払総額」に変わります。自動車公正取引協議会によると、消費者庁と公正取引委員会に自動車公正競争規約が認定、同施行規則が承認されました。改正規約・規則の施行される10月1日までにプライスボードやWebサイト、中古車情報誌などで切り替えが必要となります。
中古車の販売価格の表示が2023年10月1日から車両価格に諸費用も含めた「支払総額」に変わります。自動車公正取引協議会によると、消費者庁と公正取引委員会に自動車公正競争規約が認定、同施行規則が承認されました。改正規約・規則の施行される10月1日までにプライスボードやWebサイト、中古車情報誌などで切り替えが必要となります。
目次
中古車の支払総額とは、車両価格に、中古車を購入する際に最低限必要な諸費用を加えた価格のことを指します。
10月1日から中古車の販売価格を表示する場合は、広告、店頭展示車、注文書などすべてにおいて「車両価格」に「諸費用」を加えた価格を「支払総額」の名称で表示する必要があります。
自動車公正取引協議会の公式サイトによると、中古車専業店で、安価な価格を表示しながら、表示した価格では購入できない「不当な価格表示」や保証や整備等の購入を強制する「不適切な販売方法」、納車準備費用など「不適切な諸費用」を請求する事例があり、2020年度から販売価格の表示の見直しについて検討してきました。
2023年3月27日に消費者庁・公正取引委員会が公正競争規約を認定、同施行規則が承認されました。そこで半年の周知期間を経て、支払総額の表示が10月1日から施行されます。販売店は以下のような対応が必要になります。
車両価格とは、店頭において車両を引き渡す場合の消費税を含めた現金価格で、展示時点ですでに装着済みのナビ、オーディオ、カスタムパーツなどを含む価格のことを指します。
中古車の価格・品質に重要な影響を及ぼす「定期点検整備」及び「保証」を付帯して販売する場合、すべて車両価格に含めて表示する必要があります。
諸費用とは、保険料、税金、登録等に伴う費用(登録等手続代行費用)を指します。車両価格に含まれるべき納車準備費用などを諸費用として請求すると「不当な価格表示」と扱われます。
自動車公正取引協議会が支払総額に含まれる諸費用として具体的に次のように示しています。
自賠責保険料(月割で算出。未経過相当額を含む)
自動車重量税(車検取得時)
自動車税種別割(月割で算出。未経過相当額を含む)
軽自動車税環境性能割(車両取得時。免税あり)
車庫証明(証紙/印紙代)
検査登録(証紙/印紙代)
リサイクル預託金相当額(車両価格に含めることも可能)
検査登録手続代行費用(指定工場の場合の検査費用、認証工場の場合の車両持込費用)
車庫証明手続代行費用
ユーザーにより要否が異なるものは支払総額に含まない諸費用として紹介しています。
任意保険料
希望ナンバー申請費用(証紙・印紙代)
リサイクル料金(購入時ではなく、廃棄時に支払が必要)
下取車諸手続代行費用(信販会社または他の販売店の所有権留保車両を下取る場合の解除費用)
下取車査定料(徴収する場合は、事前に説明、査定書を発行すること)
管轄外登録(届出)費用(県外登録(届出)等、管轄外の運輸支局で登録(届出)する際の追加費用)
納車費用(購入者の指定する場所まで配送する際の費用。ただし積載車で陸送する場合は許可が必要)
「諸費用」として請求できない費用は以下の通りです。車両価格に含めて表示する必要があります。
納車前の車内清掃、洗車、クリーニング、ワックスがけなど販売店が中古車販売時に当然行うべき作業にかかる費用
納車前の点検やオイル、バッテリー交換等の軽整備の費用等納車前の最低限必要な点検・軽整備や、販売店が必ず実施する軽整備の費用、必ず付帯して販売する場合の保証費用や定期点検整備費用。また、保証や定期点検整備の実施が条件である場合の費用
「土日祝納車費用」、「利益」、「販売手数料」、「オークション陸送費」、「広告掲載料」など中古車の「車両価格」に含まれるべき性質の費用
中古車について不当な価格表示があった場合について、自動車公正取引協議会は、初回から「厳重警告」、また、悪質な場合は、併せて「違約金」を課し、事業者名を公表する等の措置が採られると説明。
さらに苦情相談件数の多い事業者に対し、実態調査などをし、改善指導を実施するといいます。
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