プレゼンのコツを紹介 成功する資料構成の作り方・話し方も丁寧に解説
「人前で話すのが苦手」「うまく伝わらない」……。プレゼンテーションに関して悩みがある人も多いですよね。そこで、相手の心に刺さって深い納得を得られるプレゼンの構成の作り方やその流れ、話し方のコツを丁寧に紹介します。
「人前で話すのが苦手」「うまく伝わらない」……。プレゼンテーションに関して悩みがある人も多いですよね。そこで、相手の心に刺さって深い納得を得られるプレゼンの構成の作り方やその流れ、話し方のコツを丁寧に紹介します。
目次
プレゼンには、大切な要素がいくつもあります。そのなかでも、構成はもっとも重要な要素のひとつです。どんなに話が上手でも、内容が薄いプレゼンだと聞き手の心には届きません。
「誰に」「なにを」「どのように」伝えるかを考えるのが、構成を作る第一歩です。自分の伝えたいテーマを明確にし、聞き手はどのような人か、効果的に伝えるためにはどのような説明の順番で話せばよいかを検討しましょう。
構成は、最初に結論を示す「PREP法」で組み立てましょう。PREP法とは主張の明確化と論理的な展開を助ける手法で、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(例示)」「Point(結論)」の頭文字を取った言葉です。
小説や物語では、結論を最後にする「起承転結」という構成を利用することがありますが、プレゼンでは最後に結論に到達するのは冗長と捉えられます。
そこで、プレゼンではPREP法を用いて最初に結論を提示し、読者の関心を引きつけるのが良いとされています。
刺さるプレゼンをするには、「わかりやすさ」が重要です。わかりやすい話は論理的に構成されているため、プレゼンの論旨が整合しており、聞き手が理解しやすくなります。
論理の飛躍があると聞き手の頭の中には「?」が生まれます。すると、聞き手はあなたの話の続きよりも、自分のなかの「?」を解決しようと動き出してしまうのです。
その結果、プレゼンに対する集中が途切れ、「わからなかった」という評価しか得られない結果となってしまいます。
プレゼン資料は、視覚に訴える大事な情報です。わかりやすいプレゼン資料を作成する方法をご紹介しますので、ぜひプレゼン資料作りに役立ててください。
スライド資料を作る際は、伝えたい情報を絞り込み、1スライド1論点で完結させましょう。伝えたいことが多すぎるために、小さな文字でたくさんの情報を盛り込んでしまう人は少なくありません。
スライドに多くの文字や複数の論点が書かれていると、聞き手はスライド資料に集中してしまいます。つまり、スライドに記載された文章を読み、複数ある論点の関係を考えてしまうため、あなたの発言を聞き逃してしまうのです。
スライドはプレゼンを補佐する要素であり、あなたの話のきっかけを示すものです。
そのため、登壇者が読み上げる用のスライドではなく、聞き手が見やすいスライドを設計することでプレゼンの内容が伝わりやすくなります。
聞き手が理解しやすいスライドにするためには、以下3つが重要な要素です。
伝えたいことを、よりわかりやすく伝えるために、この3つに注意して資料を作成しましょう。
資料作成ソフト「PowerPoint(通称パワポ)」を効果的に使う方法として「スライドマスター」をご紹介します。
パワポには多くのテンプレートが用意されており、プレゼンのテーマに合わせてデザインを選べますが、スライドマスターを使えば、自分だけのテンプレートを作成できます。
スライドマスターは、パワポの「表示」タブをクリックし、「スライドマスター」を選択すると下図が表示されます。
スライドマスターを利用して、オリジナルのテンプレートを作成してみました(下図)。
既存のものと比べて、タイトル部分の幅を小さくし、本文部分の面積を広げ、横に青い線を入れることでデザイン性を出してみました。
また、投影された資料を聞き手が見やすいように、筆者はフォントを「Meiryo UI」にし、文字サイズを24ポイント以上にしています。これより小さい文字では会場で投影したときに、文字が小さすぎて読めなくなってしまいます。
左下のロゴは、筆者が代表を努めている「プレゼンスキルアップ研究会」のロゴで、こちらもパワポを利用して作成しています。
オリジナルのパワポテンプレートを利用するだけでも、観客が引き込まれる効果を出せますので、参考にしてみてください。
プレゼンの目的は、あなたの主張を相手に理解してもらうことです。そこで、伝えたいことを相手に伝えられるように3つのコツをご紹介します。
プレゼンにおいて、話の出だしはなによりも重要です。最初の第一声で聞き手の注目を集められるか否かで、その後のプレゼンの成否が決まるといっても過言ではありません。
上手な話し手は、プレゼン用の声と普段おしゃべりするときの声を使い分けています。プレゼンの際は、普段の声よりも「一段高く大きな声」で、聞き取りやすいように話すことを心掛けています。
筆者の場合は、「ハイ!それでは〇〇の講義を始めて参りたいと思います」というようにスタートすることが多く、ポイントは初めの「ハイ!」です。セミナー開始前は、雑談でざわついていることが多いため、頭のてっぺんから大きな声を出すイメージで「ハイ!」と始めることで、聞き手の気持ちを切り替えるようにしています。
「ハイ!」の第一声で聞き手をプレゼンに集中させたタイミングで、会場の場が和むようにアイスブレイクを行い、双方がコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作りましょう。いわゆる「つかみ」と言われるものです。
アイスブレイクの目的は、話し手と聞き手の距離を縮めることですので、話の内容はあなた自身のことや会場近くの話題が良いでしょう。狙ったところで、聞き手の笑いを取れれば、その後の展開がとても円滑に進めやすくなります。
難しい話や理解しづらい話をわかりやすく伝えるために、一般論や抽象的なことを説明するときは、自分自身の体験談や具体例を盛り込んでみましょう。
以前、プレゼンの指導をしていた受講生が、人事制度について調べてきたことを淡々とプレゼンしてきました。
そのプレゼンは、調べたことをただ説明するだけの理解しづらいプレゼンだったため、筆者は「説明されたような運用ができていますか?」と質問したところ、「形式は整備されているけど、極めて属人的だ……」と、体験談を語りだしました。
その体験談をプレゼンに取り入れたことで、その後の本番のプレゼンはわかりやすくなり、大変好評を博したと聞いています。
つまり、聞き手に理解してもらうには、一般論「抽象」と例示「具体」の組み合わせが重要で、抽象と具体をセットで話すことで、わかりやすい話しを組み立てられます。
プレゼンには、質疑応答がセットで用意されるケースが少なくありません。聞き手の疑問点を解消するためにも、大切なポイントです。しかしながら、事前に質問の内容がわからないなど、質疑応答が怖いという人がいるのも事実です。そこで、質疑応答にどう対応すれば良いのか、2つのコツをご紹介します。
質疑応答に対する質問の要素は、当然ながらプレゼンのなかにあります。そのため、質疑応答の対策は、プレゼン内容を完全に自分のものとして把握することに尽きます。自分の言葉で語った内容に関する質問は、きちんと説明できるはずです。
なお、筆者は想定問答を用意せずに、想定できる質問はプレゼンのなかで説明し、解決するのが好ましいと考えています。
書籍やネットで調べたことをスライド資料や説明に加えた場合も、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。調べた内容に関する理解が中途半端な場合、その部分は対応しづらい質問になってしまいます。
なお、話し手が内容を理解せずに、深い説明を省略して進めてしまった場合、不明瞭な説明が聞き手の疑問につながり、質問したくなる要素になりがちです。
つまり、調べて付け加えた内容に関しても、深く理解し、自分の意思・意図を持っておくことが質疑応答において大切だといえるでしょう。
筆者が代表を務めるプレゼンスキルアップ研究会で、プレゼン力を上げるために実践している2つの練習法をご紹介します。
結局、プレゼン力を上げるのに一番重要なのは時間をかけて準備し、何度も練習する地道な努力です。何度もプレゼンの練習をして頭の中に内容を叩き込み、自分の言葉で説明できるようにプレゼン全体を理解しましょう。
何度も練習し、全体を理解しておくことで、自信を持ってわかりやすく説明ができるようになります。
声の出し方や発声に不安がある人は、実際に声を出す練習をしましょう。プレゼンをする際にはマイクを持って行うことも多いため、カラオケボックスでマイクを使った練習もおすすめです。
自宅で本番と同じレベルの声を出しにくい人にもおすすめで、マイクを持つ方向で声の拾い方が異なることも体験できます。
「プレゼンを成功させる」ことと、「聞き手に刺さる」ことは同義であると考えます。そのために、どうすれば聞き手に納得してもらえるか、わかりやすく伝えられるかを検討し、「自分が発表する」ではなく、「聞き手に納得してもらう」ことを前提に構成を作り上げることが大切です。
また、聞き手が理解しやすいように、一目見て意図を理解できるスライドを作成し、実際に話すときは専門用語を使わないようにしましょう。プレゼンをするたびに多くの改善点や学びを得つつ、次の機会に備えることがとても大切です。
なにより重要なのが、こうしたポイントを頭に入れたり、それをもとに練習を重ねたりするだけではなく、本番のプレゼンを何度も経験することです。本番に勝る練習はありません。
臆することなく自ら手を上げてプレゼンの機会を得ることが、プレゼンを成功に導く最大の決め手といえるでしょう。
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