目次

  1. 部署間の対立を悲観しない
  2. 部署間対立の解消で利益率アップ
  3. チームプロジェクトのポイント
  4. 部署をまたぐプロジェクトの進め方
  • 「営業が頑張って獲得した顧客がカスタマーサービスのせいで簡単に離れてしまう」
  • 「最高の製品を開発しても営業に売る力がない」
  • 「開発部隊の成果が乏しいせいで顧客への提案が難しい」

 皆さんの会社では、社員がこのような不満を抱えていないでしょうか。部署間の対立は、間違いなく解消しなければいけないのが前提です。だからといって対立が起きている事実を悲観し過ぎることはありません。各部署が自分たちの責任を果たそうと努力しているからこそ、意見の違いが起きるのです。

 問題なのは、社員が自分たちの責任を理解しないままだらだらと仕事をこなしている状態です。「誰かがやればいいだろう」という他責思考に全員が陥っているため、対立は起きません。この方がよほど問題です。

 社員の他責思考を防ぐため、経営者は目標の達成度合いに応じて評価が上下する制度を整えましょう。そして、各部の部長に明確な目標を設定したら、部長以下にも同様に部下の目標設定をさせるのです。

 給与が上がるだけでなく下がる仕組みがあることで、社員は自らの責任を果たそうとします。この「マイナス評価」がなく、目標未達をゼロと見なす会社に筆者は数多く出会ってきましたが、これだと社員が「目標未達でも別にいいか」という思考を抱きやすくなるのです。

 経営者が部署間の対立を認識したら、各部長に対して相手(他部署)に何をしてほしいかヒアリングします。メンバーの個人的見解や不平不満を集めるのではなく、事実情報を根拠と一緒に上げさせましょう。そして、他部署への要求が通って権限を獲得できた場合、部としてどこまで成果を出せるのかも報告させます。つまり、責任を与えるわけです。そこまでしないと経営者としての判断を誤ってしまいます。

 ある原材料メーカーで起きていた部署間対立の事例を紹介します。

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