目次

  1. 吉田屋とは
  2. 吉田屋で起きた食中毒 原因菌は2種
  3. 食中毒の原因 米飯に菌が付着か

 吉田屋の公式サイトによると、1892年(明治25年)に尻内駅(現・八戸駅)構内で営業開始したのが始まりといいます。従業員数は、2022年7月時点で81人です。

 「ファベックス 惣菜・べんとうグランプリ」で「駅弁・空弁部門 金賞」を8年連続受賞しており、全国の百貨店の催事に出店したり、スーパーで販売したりするなど全国で知名度があります。

 八戸市の公式サイトによると、吉田屋で9月15日、16日に製造された弁当により、食中毒が発生。

 このことが、食品衛生法違反にあたるとして、八戸市は9月23日に営業禁止命令を出しました。原因として、弁当から黄色ブドウ球菌(エンテロトキシンA型)とセレウス菌(エンテロトキシン産生)が検出されたといいます。吉田屋は17日から営業を自粛しています。

 八戸市保健所によると、食中毒が確認されたのは、29都道県で554人に及ぶといい、吉田屋は「保健所から必要な情報の提供を受けるとともに、当該商品を販売された店舗の関係者と協力して、謝罪と被害の弁償に尽力して参ります」とコメントしています。

 吉田屋は食中毒の経緯についても説明しています。

 9月の連休に向けた注文に対応しようと米飯を県外の委託業者から仕入れ、弁当を製造していました。しかし、食材の受け入れにあたり必要な作業を怠っており、「その結果、当該食材(米飯)に付着していた菌が増殖するなどして製造された商品に含まれることになったと考えております」とコメントしています。

 八戸市は10月16日、会見を開き、食中毒の推定される原因について次のように指摘しています。

  • 委託製造した米飯について、検収手順及び受入れ基準を定めていなかったことから、注文時の指示書より高い温度の米飯を受け入れ、米飯冷却までに原因菌が増殖した可能性がある
  • 委託製造した米飯が配送された外箱(発砲スチロール製)について、殺菌等の措置をせずに、盛り付け室に搬入したことから、米飯、具材等に原因菌が付着した可能性がある
  • 自社炊飯分の米飯冷却に加え、予定にない、委託製造した米飯の移し替えや冷却が同時に行われたが、その製造記録が残されておらず、手指の消毒、手袋交換等のタイミングや方法が適切に行われず、原因菌が付着した可能性がある
  • 臨時従業員に対して衛生教育や体調・手指の傷等健康状態の確認を行ったが、これらの記録が残されておらず、通常当該施設で実施されている衛生的な取扱いや健康管理が徹底されず、原因菌が付着した可能性がある

 八戸市は11月4日、社外から受け入れた米飯の取り扱いの改善などを確認し、営業禁止処分を解除しました。